第一原因(読み)だいいちげんいん

精選版 日本国語大辞典 「第一原因」の意味・読み・例文・類語

だいいち‐げんいん【第一原因】

〘名〙 アリストテレスの唱えた万物運動の根本原因。動かすもの(原因)と動かされるもの(結果)の関係において、他によって動かされることがなく、他を動かす「不動の第一動者」をいい、これが神であるとする。
行人(1912‐13)〈夏目漱石塵労二人はそんな事から神とか第一原因(ダイいちゲンイン)とかいふ言葉をよく使ひました」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「第一原因」の意味・わかりやすい解説

第一原因
だいいちげんいん
prōtē aitia; causa prima; first cause

アリストテレスの規定によると,「存在であるかぎりの存在」の運動と変化究極原因としての「不被動の第一の動者」,第一形相として自己自身を思惟の対象とする思惟である神をさす。スコラ哲学,特にトマス・アクィナスに受継がれて重要な概念一つとなった。 (→第一質料 , ノエシス・ノエセオス )  

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