笞杖（読み）チジョウ

デジタル大辞泉

ち‐じょう〔‐ヂヤウ〕【^×笞^×杖】

１ むちと、つえ。
２ 律の五刑のうち、笞刑と杖刑。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ち‐じょう ‥ヂャウ【笞杖】

〘名〙

① むちとつえ。

※延喜式（927）二九「笞杖各一千枝」

② 中国、隋・唐および日本の律に規定された五刑のうちの笞刑と杖刑。

※色葉字類抄（1177‐81）「笞杖 法家部 チヂャウ」 〔事物紀原‐律令刑罰部、笞杖〕

しもと‐づえ ‥づゑ【笞杖】

〘名〙 刑罰の具。木の若枝で作った杖。また、その杖で打つ刑。〔色葉字類抄（1177‐81）〕

※読本・春雨物語（1808）樊噲上「目代に引き出だされ、罪重からねば、しもと杖五十うたせて、里正(さとをさ)召してわたさるる」

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【笞杖】ちじよう（ぢやう）

杖でうつ。〔唐律義、一、笞刑〕(ぎ)（鼻切り）に當るは笞三百。此れち笞杖の目、未だ區らず。笞の刑は刑のきなり。

字通「笞」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」

世界大百科事典（旧版）内の笞杖の言及

【刑罰】より

…　日本近代以後の刑罰を歴史的にみると，そこには，身体刑に代えて自由刑･財産刑を刑罰制度の中心とし，その自由刑をも単純化していくという一般的な刑罰史の流れに沿っている。まず，明治維新直後の1868年(明治1)に制定された仮刑律は，基本的に律令制度にならって，笞，徒（ず），流（る），死の4種類の刑罰を認め，次いで70年に制定された新律綱領も，笞，杖（じよう），徒，流，死の5刑をおいていた。が，73年に制定された改定律例は，明清律のほかにヨーロッパ法をも斟酌（しんしやく）し，従来の5刑制を廃止し，笞，杖，徒，流の4種を改め，すべて懲役とした。…

【笞罪】より

…杖罪と同じく木の枝をもって臀部を打つ刑罰。笞罪の執行に用いるむちは笞杖といい，手もとの直径3分(約9mm)，先の直径2分(約6mm)で，杖罪に用いる常行杖よりも1分ずつ細い。長さは常行杖と同じく3尺5寸(約105cm)で，打ったときに受刑者の皮膚が破れて出血しないように，節目を削り取ってある。…

※「笞杖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」