笛吹(読み)ふえふき

精選版 日本国語大辞典 「笛吹」の意味・読み・例文・類語

ふえ‐ふき【笛吹】

[1] 〘名〙
① 笛を吹く人。笛を吹くことを業とする人。また、笛の名手。ふえだくみ。
西大寺資財流記帳‐宝亀一一年(780)「笛吹二人」
③ 魚「やがら(矢柄)」の異名。〔和訓栞(1777‐1862)〕
[2] 山梨県中央部の地名。甲府市に隣接し、果樹栽培が盛ん。石和温泉がある。平成一六年(二〇〇四)市制。

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デジタル大辞泉 「笛吹」の意味・読み・例文・類語

ふえふき【笛吹】[地名]

山梨県中央部にある市。貫流する笛吹川に沿った平地でモモ・ブドウ・カキなどの果樹栽培が盛ん。平成16年(2004)春日居かすがい町、石和いさわ町、御坂みさか町、一宮いちのみや町、八代やつしろ町、境川村が合併して成立。平成18年(2006)に芦川村を編入。人口7.1万(2010)。

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改訂新版 世界大百科事典 「笛吹」の意味・わかりやすい解説

笛吹[市] (ふえふき)

山梨県中央部の市。2004年10月石和(いさわ),一宮(いちのみや),春日居(かすがい),御坂(みさか),八代(やつしろ)の5町と境川(さかいがわ)村が合体して成立,さらに06年8月芦川(あしがわ)村と合併した。人口7万0529(2010)。

笛吹市南端の旧村。旧東八代郡所属。人口521(2005)。御坂山地に囲まれた山村で,中央部を芦川が西流する。村域の大部分は山林で,耕地は少ない。特産物のコンニャクは衰退し,近年はトマト,ホウレンソウなどの高冷地野菜栽培が盛んになっている。鶯宿峠の分水嶺に両面ヒノキ(通称ナンジャモンジャ)の大木があり,黒岳山麓にはスズランの群生地がある。ヤマメのすむ芦川の渓谷から御坂山地へのハイキングコースなどもあり,自然に恵まれた観光地となっている。
執筆者:

笛吹市北西部の旧町。旧東八代郡所属。人口2万6989(2000)。笛吹川河畔にあり,戦国時代,武田氏が甲府の躑躅ヶ崎(つつじがさき)に移転するまでその館がこの付近にあった。江戸時代には甲州街道の宿駅が置かれたところで,現在は甲州街道(国道20号線)と鎌倉街道(国道137号線)の合する交通の要地である。市街地は明治末年の笛吹川の洪水による河道の変遷によって川の南岸から北岸へと移った。1903年中央線石和駅ができてからは周辺農村の小中心都市であったが,61年市街地の近くから高温多量の温泉(単純泉,45℃)が湧出し,以降石和温泉町として知られるようになった。京浜地方に近く,高度経済成長期に発展したため歓楽郷的な色彩が強かったが,近年は温泉病院なども多くなり,保養地としての性格ももつようになった。周辺はブドウや桃の果樹園でしめられており,とくに春の桃の開花期や秋のブドウ狩りのシーズンには多数の観光客でにぎわう。
執筆者:

笛吹市北東部の旧町。旧東八代郡所属。人口1万1036(2000)。甲府盆地東部に位置し,御坂山地から北流して笛吹川に合流する金川の扇状地北岸にある。かつて桑園に利用されていた北西部の扇状地は桃,ブドウの果樹園に変わり,現在は桃の日本一の生産量の産地として知られる。中央自動車道一宮御坂インターチェンジがあり,国道20号線をはじめ主要道路沿いには多数の観光ブドウ園が並んでいる。甲斐国一宮浅間(せんげん)神社の所在地であり,甲斐国分寺・国分尼寺の跡(史)がある。ほかに武田氏と関係の深い山宮神社(本殿は重要文化財),広厳院,慈眼寺などもある。

笛吹市北端の旧町。旧東山梨郡所属。人口7456(2000)。南東部を笛吹川が流れる。甲府盆地北部を占めるこの一帯は,近年,桃とブドウの果樹園が広がり,従来の水田と桑園の土地利用は一変した。さらに1965年温泉が湧出し,果樹園とあわせて〈果樹温泉郷〉として観光地化が進んでいる。また水質の良さをいかして古くから養鯉が行われ,近年は食用ゴイとともに観賞用コイの飼育が盛んになっている。古代に初期の甲斐国府が置かれた地で,国分寺ないし国分尼寺跡とされる寺本廃寺跡がある。また太々神楽で知られる山梨岡神社がある。JR中央本線が通じる。

笛吹市西部の旧村。旧東八代郡所属。人口4551(2000)。甲府盆地南東縁にあり,南部は御坂山地,曾根丘陵が占める。中央部を北流する境川を中心に複合扇状地が広がり,北西部は笛吹川南岸の沖積地となる。古くから養蚕の盛んな地域であったが,近年ブドウ,桃,スモモの栽培がふえ,プリンスメロン,トウモロコシの生産も伸びている。智光寺,宗源寺,実相寺などの古刹(こさつ)がある。

笛吹市中部から東部にかけて位置する旧町。旧東八代郡所属。人口1万2067(2000)。甲府盆地南東縁に位置し,御坂山地北斜面とそこから西流して笛吹川に注ぐ金川がつくる扇状地からなる。古代から黒駒の産地として知られ,町内の国衙(こくが)には甲斐国府が置かれたこともある。中世以来,御坂峠を通る鎌倉街道に沿う交通の要地で,現在も中央自動車道一宮御坂インターチェンジに近く,国道137号線が通じる。金川扇状地はかつて桑園に利用されていたが,近年は桃,ブドウの果樹園が広がり,農業の主体となっている。洋ラン,バラの施設園芸も盛んである。

笛吹市中部の旧町。旧東八代郡所属。人口8336(2000)。甲府盆地南東部に位置し,御坂山北西縁の山地,およびそこから西流し笛吹川に注ぐ浅川の扇状地からなる。古代には八代郷,長江郷と呼ばれた地域で,古代の官道若彦路が通じていた。純農村で養蚕,稲作主体であったが,近年,ブドウなどの果樹栽培や花卉の生産が盛んとなり,キクは県下有数の生産を誇る。
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普及版 字通 「笛吹」の読み・字形・画数・意味

【笛吹】てきすい

笛を吹く。唐・杜牧〔夜、桐廬に泊す~〕詩 水檻、桐廬の 歸舟、石根に(つな)ぐ 笛は吹く、戍(こじゆ)の 犬は吠ゆ、溪をつる村

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「笛吹」の意味・わかりやすい解説

笛吹
ふえふき

長崎県,五島列島の北方,小値賀島の中心集落。小値賀町に属する。江戸時代からの独占的採取権をもったアワビ採取の海士 (あま) の集落であり,現在も採貝草漁業を中心に,一本釣り,刺網漁が行われる。博多および佐世保との間に定期航路がある。

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