笈を負う
郷里を出て、遠方に遊学することのたとえ。
[使用例] 朝に道を聴けば夕に死すとも可なりと云うような意気込で、遥々笈を負うて都門の先生を訪いに来たのでは無くて[永井荷風*冷笑|1909~10]
[由来] 中国の古い書物で、よく使われる表現。たとえば、「[太平御覧]」という書物に引用された、謝承という歴史家が書いた「[後漢書]」には、蘇章という人物が「笈を負うて(書物を入れた箱を背負って)」先生を訪ね、一〇〇〇里以上も旅をしたとか、同じく「李固伝」には、李固という人物が「笈を負うて」一〇〇〇里の道のりを歩いて先生に弟子入りした、といった記事があります。「笈」は、本などを入れて背負うための箱です。
出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報
きゅう【笈】 を 負(お)う
(笈①を背負って旅をする意から) 勉学のために故郷を離れる。
※続日本紀‐養老五年(721)六月戊戌「沙門行善。負レ笈遊学。既経二七歳一」
※冷笑(1909‐10)〈永井荷風〉八「遙々(はるばる)笈(キフ)を負うて都門の先生を訪ひに来たのでは無くて」 〔史記‐蘇秦〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「笈を負う」の意味・読み・例文・類語
笈を負・う
《「史記」蘇秦伝から。本箱を背負って旅する意》遠く故郷を離れて勉学する。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例