竹琴(読み)ちっきん

精選版 日本国語大辞典 「竹琴」の意味・読み・例文・類語

ちっ‐きん チク‥【竹琴】

〘名〙 三弦琴の一つ。また、その音楽竹筒を割って八雲琴の大きさに切り、上面に桐板を張り、その上に三弦を張ったもの。明治一九年(一八八六)、田村与三郎(号竹琴翁)の発明になり、農商務省専売特許を得た。音楽は高尚優美な歌詞曲調を意図したもの。
読売新聞‐明治二五年(1892)二月三日「田村竹琴翁の発明に係る竹琴は、追々研磨の功を積み」

ちく‐きん【竹琴】

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デジタル大辞泉 「竹琴」の意味・読み・例文・類語

ちっ‐きん〔チク‐〕【竹琴】

弦楽器の一。竹筒を縦に割って八雲琴の大きさに切り、上面に桐板をはめて、その上に3弦を張ったもの。明治19年(1886)田村与三郎(竹琴翁)が創始

ちく‐きん【竹琴】

ちっきん(竹琴)

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改訂新版 世界大百科事典 「竹琴」の意味・わかりやすい解説

竹琴 (ちっきん)

弦楽器の名称。〈ちくきん〉〈たけごと〉ともいう。竹製の胴をもつチター型弦鳴楽器の総称として用いることもある。東南アジアからマダガスカル島一帯にまで広く分布し,それぞれ名称・構造は異なる。日本では,《日本書紀》巻十七継体紀の春日皇女(かすがのひめみこ)の歌に,竹で琴を作ったことが記されるが,これに該当する遺物もなく,他の日本の固有の琴類との関係も不明。江戸時代末期に,葛原勾当(くずはらこうとう)が考案した二弦琴を当初〈竹琴〉と名づけた。一般には,1886年,田村竹琴(本名与三郎)が考案した3弦の琴をいう。太い竹を半分に割った上に桐板を張る。左手中指にはめた翠管(すいかん)で勘所(かんどころ)を押さえ,右手食指にはめた鳳爪(ほうそう)と称する管状の義甲で撥弦(はつげん)する。明治末期には,ほとんど流行しなくなった。
執筆者:

竹琴 (たけごと)

竹琴(ちっきん)

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世界大百科事典(旧版)内の竹琴の言及

【竹琴】より

…日本では,《日本書紀》巻十七継体紀の春日皇女(かすがのひめみこ)の歌に,竹で琴を作ったことが記されるが,これに該当する遺物もなく,他の日本の固有の琴類との関係も不明。江戸時代末期に,葛原勾当(くずはらこうとう)が考案した二弦琴を当初〈竹琴〉と名づけた。一般には,1886年,田村竹琴(本名与三郎)が考案した3弦の琴をいう。…

【竹琴】より

…日本では,《日本書紀》巻十七継体紀の春日皇女(かすがのひめみこ)の歌に,竹で琴を作ったことが記されるが,これに該当する遺物もなく,他の日本の固有の琴類との関係も不明。江戸時代末期に,葛原勾当(くずはらこうとう)が考案した二弦琴を当初〈竹琴〉と名づけた。一般には,1886年,田村竹琴(本名与三郎)が考案した3弦の琴をいう。…

【アンクルン】より

…また,バリ島東部では,アンクルンに金属製打楽器の加わったガムラン・アンクルンが,村や寺院の儀式に不可欠の音楽を担っている。なお,ジャワ島東部およびバリの一部では,しばしば竹琴をこの名称で呼ぶことがある。【田村 史子】。…

【二弦琴】より

…ただし,2弦はすべて同律に調弦されるので,複弦の一弦琴とみなすこともできる。八雲琴(やくもごと),竹琴(ちつきん),東流(あずまりゆう)二弦琴があり,大正琴(たいしようごと)もそれらの改良楽器である。二弦琴に1弦を加えて3弦としたものに,大和琴(やまとごと)または初瀬琴と称するものや,田村竹琴創案の竹琴などがあったが,伝承は絶えている。…

※「竹琴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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