竹俣当綱(読み)たけまた・まさつな

朝日日本歴史人物事典 「竹俣当綱」の解説

竹俣当綱

没年寛政5.4.5(1793.5.14)
生年享保14(1729)
江戸中期の米沢藩(山形県)上杉氏の重臣。姓の読みは正しくは「たけのまた」。初め翁助,のち美作と称し,含章堂主人と号した。竹俣家は侍組の分領家で,代々奉行,侍頭などを務めた。父は当綱3歳のときに病死したので,延享3(1746)年に祖父より家督を継ぐ。知行1000石。宝暦11(1761)年江戸家老,のち奉行となる。幼時より学問好み,米沢藩の儒者藁科松伯の菁莪館に学び,藩主上杉鷹山の登場に始まる明和・安永期の藩政改革の中心人物となった。改革は漆・桑・楮の各100万本植立策,縮織技術の導入など,革新政策の強行特色がみられる。天明2(1782)年,専制的振る舞いで押し込めに処された。<参考文献>横山昭男『上杉鷹山

(横山昭男)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「竹俣当綱」の解説

竹俣当綱 たけのまた-まさつな

1729-1793 江戸時代中期-後期武士
享保(きょうほう)14年生まれ。出羽(でわ)米沢藩(山形県)藩主上杉鷹山(ようざん)のもとで江戸家老から奉行筆頭となり藩政改革を担当。財政再建,殖産興業,新田開発などをすすめたが,天明2年改革の途中でお役御免となった。寛政5年4月5日死去。65歳。通称は翁助,美作。著作に「国政談」など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「竹俣当綱」の意味・わかりやすい解説

竹俣当綱
たけまたまさつな

[生]享保14(1729)
[没]寛政5(1793).4.5. 米沢
江戸時代中期の米沢藩家老。通称は美作。字は君端。上杉治憲 (鷹山) に仕え,新田開発,殖産興業,学館設立などを行い藩政改革に尽力。天明1 (1781) 年反対派のため蟄居を命じられ,数年で許されたが病没。

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367日誕生日大事典 「竹俣当綱」の解説

竹俣当綱 (たけまたまさつな)

生年月日:1729年9月17日
江戸時代中期の武士
1793年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の竹俣当綱の言及

【上杉治憲】より

…1767年(明和4)17歳で米沢藩主となった。治憲襲封以前の米沢藩政は動揺が激しく,宝暦年間(1751‐64),森平右衛門が郡代として藩政の実権をにぎったが,新政半ばにして菁莪社中のクーデタによって暗殺され,治憲の藩主就任とともに,奉行竹俣当綱(まさつな)を中心とする藩政改革が開始された。改革は長期にわたったが,第1期は明和・安永の改革で,治憲が直接藩主の座にあった時期である。…

【出羽国】より

… 米沢藩では宝暦末年,郡代森平右衛門が財政の再建と農村の復興のために支配機構の改革などを試みたが,藩政内部の対立で失敗した。そのあとに断行した明和・安永の改革は,新藩主に15歳の治憲(鷹山)を迎え竹俣当綱(まさつな)を中心とする改革派グループによって進められた。その内容は大倹約令にはじまり,これまでの御用商人との縁を切ること,農村をはじめ領内各地に漆,楮(こうぞ),桑をそれぞれ100万本植えること,また縮織の技術を導入し,藩校興譲館を創設したことなどである。…

【藩政改革】より

…だから,大名を補佐する執政に恵まれるとき,藩政の再構築を目ざす藩政改革がみられることになる。この典型としては,肥後熊本藩54万石を受け継いだ第6代細川重賢(しげかた)と家老堀勝名の関係,陸奥会津藩28万石の第5代松平容頌(かたのぶ)と家老田中玄宰との関係,そして,出羽米沢藩15万石の第10代上杉治憲(はるのり)(鷹山)と改革派を代表する竹俣当綱(たけのまたまさつな)との関係をあげることができよう。 上杉治憲が名君の典型であったことはよく知られているが,彼は日向国高鍋藩主秋月氏の次男として生まれ,部屋住上がりの辛酸をなめていた。…

【米沢藩】より

… 1755年(宝暦5),下級藩士の扇動による城下打ちこわし事件があり,60年に北条郷の青苧騒動が起こっている。このころ,側役から郡代頭取となって権力をにぎった森平右衛門が新政を実施したが,譜代層の非難をあび,63年江戸家老の竹俣当綱(たけのまたまさつな)によって誅殺された。67年(明和4)上杉治憲(鷹山)が上杉家第10代を家督し,藩政改革を実施した。…

※「竹俣当綱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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