端金(読み)はしたがね

精選版 日本国語大辞典 「端金」の意味・読み・例文・類語

はした‐がね【端金】

〘名〙 わずかの金銭。ある金額に達しない、はんぱな金銭。端銀(はぎん)。はしぜに。はしたぜに。はしたせん。はしせん。はした。
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第二〇「一引ひけば御長者といふ はした銀(ガネ)月とも露共思はねば」

はし‐がね【端金】

〘名〙 物の先端につける金属金具
延喜式(927)四「棟端金三枚〈略〉桁端金四枚」

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デジタル大辞泉 「端金」の意味・読み・例文・類語

はした‐がね【端金】

ある額に達しない半端な金銭。ごくわずかな金銭。はしたぜに。「こんな端金では役立たない」
[類語]目腐れ金小銭小金ばら銭涙金びた一文

はし‐がね【端金】

物の端につける金属・金具。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「端金」の意味・わかりやすい解説

端金
はたがね

木工用の締め付け具。家具や箱、襖(ふすま)、障子戸などをつくるときに使用される。端金は鉄、真鍮(しんちゅう)、アルミ合金製などがあり、締め付けねじ・あご・棹(さお)・固定ねじという部品から構成されている。角棒の一端に締め付けねじがあり、部材を挟むためのあごが二つ通してある。あごの一方には固定ねじがあり、もう一方は自由に動かせるようになっている。

 使い方は、まず圧着させたいものの長さにあわせて二つのあごを広げ、締め付けねじと固定ねじをゆるめ、あごとあごの間に締め付ける木材を挟み、固定ねじを留めてから締め付けねじで締め付け、材料を圧着させる。締め付けには、普通2本一組で表裏から締め付ける。

 端金と用途が類似する工具クランプがある。クランプは、材料を作業台に固定するもので、締め具ともいわれ、ねじ部分を締め付けて使う。作業するとき材料が動いてしまうと作業ができない場合、クランプを使えば作業台にしっかり固定し作業がしやすくなる。端金はクランプのうちの一つである。

[赤尾建蔵 2021年7月16日]


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