普及版 字通 「端(漢字)」の読み・字形・画数・意味
端
常用漢字 14画
[字訓] ただしい・まこと・はし・いとぐち
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(たん)。は端然として坐する巫女の形。その上部は長髪のなびく形。立は人の立つところ。儀式の場所や位を示す。所定の地位に端然として坐する巫女の形より、端正の意となり、心正しくまことの意となる。儀場における巫祝の位置は、殷の婦好墓から出土した図象銘をもつ器物の配列の位置から考えると、亜形銘をもつものがいわゆる左上、上位の左端に位置している。それではしの意となるが、そこから数えはじめるので、またはじめの意となる。〔説文〕十下に「直なり」とあるのは端正の意。〔礼記、祭義〕「以て其の位を端(ただ)す」、〔礼記、礼器〕「天下の大端に居る」のように用いる。喘(せん)と通用することがある。
[訓義]
1. ただしい、ただしくすわる、ただしいすがた、ただす。
2. まこと、まっすぐ、ただしい心。
3. はし、はた、すえ、はて。
4. はじめ、いとぐち、きざし、もと、かしら。
5. 喘(せん)と通用し、あえぐ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕端 ウルハシ・アラハル・ナホシ・ハシ・ヘリ・ホトリ・スミヤカ・ケサニ・オモフ・カザル・ウヘ・ウツクシ/端坐 ウルハシクヰル・ヒトリヰ/端出之繩 シリクヘナハ/無端 スズロニ
[語系]
端・tuanは同声、(たん)は〔説文〕八上に「衣の正幅なるものなり」、〔玉〕に「正幅の衣なり」とあり、朝服である端衣をいう。〔左伝、昭元年、服虔注〕に「禮衣、端正にして(さい)無し」とは、その正幅を用いる意。は端の声義を承け、また端衣という。
[熟語]
端▶・端衣▶・端偉▶・端懿▶・端委▶・端一▶・端華▶・端雅▶・端介▶・端楷▶・端崖▶・端▶・端涯▶・端愨▶・端確▶・端簡▶・端揆▶・端居▶・端拱▶・端凝▶・端嶷▶・端隅▶・端勁▶・端渓▶・端倪▶・端潔▶・端月▶・端言▶・端原▶・端厳▶・端午▶・端五▶・端厚▶・端行▶・端坐▶・端衰▶・端士▶・端志▶・端辞▶・端膝▶・端日▶・端実▶・端首▶・端秀▶・端粛▶・端緒▶・端書▶・端如▶・端序▶・端身▶・端信▶・端審▶・端人▶・端正▶・端静▶・端斉▶・端誠▶・端節▶・端▶・端然▶・端漸▶・端操▶・端荘▶・端端▶・端重▶・端直▶・端貞▶・端的▶・端拝▶・端匹▶・端平▶・端冕▶・端方▶・端末▶・端門▶・端右▶・端由▶・端容▶・端陽▶・端立▶・端良▶・端諒▶・端麗▶
[下接語]
異端・一端・雲端・簷端・下端・開端・起端・極端・端・玄端・更端・郊端・毫端・左端・四端・事端・愁端・序端・上端・杖端・城端・尋端・席端・舌端・先端・尖端・戦端・争端・造端・多端・大端・途端・万端・尾端・眉端・鼻端・筆端・百端・平端・兵端・鋒端・端・発端・末端・無端・両端・話端
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報