童名(読み)わらべな

精選版 日本国語大辞典 「童名」の意味・読み・例文・類語

わらべ‐な【童名】

※俳諧・鷹筑波(1638)五「ふるきゑぼしのあたらしく成 わらべ名を今日此ごろやかへぬらん〈貞義〉」

わらわ‐な わらは‥【童名】

〘名〙 子どものときの名。元服前のなまえ。幼名。わらべな。わらんべな。
大和(947‐957頃)一四「本院の北の方のみおとうとの、わらは名をおほふねといふいますかりけり」

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デジタル大辞泉 「童名」の意味・読み・例文・類語

わらわ‐な〔わらは‐〕【童名】

元服以前の名。子供のときの名。幼名。
「いまだ―にて候と」〈義経記

わらべ‐な【童名】

わらわな(童名)」に同じ。
「梅がえが幼名と、松山が―を取り違へた」〈浮・名代紙衣〉

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世界大百科事典(旧版)内の童名の言及

【人名】より

…これは1人が幾種類かの名を帯びる社会的な慣習である。日本では特に複名が多く,諱(いみな)(名乗(なのり))のほか,幼名(童名(わらわな)),通称,字(あざな),別号(候名(さぶらいな),芸名,源氏名,筆名,雅号,画号,俳号,狂名,等々),渾名(あだな),法名,戒名,諡(おくりな)等々が同一人に対して用いられることが多い。滝沢馬琴の公式の名は源興邦(おきくに)であるが,彼は本名のほか34の名をもっていたことで知られる。…

【元服】より

…添臥に選ばれた女性がそのまま正妻になることも多く,しかも平安中期以降とくに男子より年上の例が多く,《源氏物語》の光源氏の場合も12歳に対して葵上(あおいのうえ)は四つも年上であった。冠者は元服と同時に童名(わらわな)をやめ実名(諱(いみな))が付けられ,位階を進められた。ちなみに女子では髪上(かみあげ),裳着(もぎ)が元服に当たる。…

※「童名」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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