竟宴(読み)キョウエン

デジタル大辞泉 「竟宴」の意味・読み・例文・類語

きょう‐えん〔キヤウ‐〕【×竟宴】

平安時代宮中進講勅撰集撰進が終わったあとで催される酒宴諸臣詩歌を詠ませたり禄を賜ったりした。
祭りのあとで催される宴会直会なおらい

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精選版 日本国語大辞典 「竟宴」の意味・読み・例文・類語

きょう‐えん キャウ‥【竟宴】

〘名〙 (「竟」は物事の終わる意)
① 主として平安時代、宮中での「日本書紀」や漢籍の進講、和歌集の勅撰などが終わったとき、宴を設けて、其の書中記載の事項に関係のある詩や歌を諸臣に詠ませ、祿を賜下されること。また、一私人としてこれに擬して行なうこともある。
※三代実録‐貞観二年(860)一二月二〇日「従五位上行大学博士大春日朝臣雄継以御注孝経皇帝、今日有竟宴、授博士雄継正五位下
※増鏡(1368‐76頃)七「新古今の時ありしかばにや、竟宴といふ事行なはせ給ふ。いとおもしろかりき
② 祭などが終わった後で催される宴会。直会(なおらい)
古今著聞集(1254)四「神事をその前におこなふ。翼日に宴をはりて、夜に入て才子ひきて宴席をのぶ。これをまつりの竟宴といふ也」

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世界大百科事典(旧版)内の竟宴の言及

【日本紀講筵】より

…盛時の形態は,《書紀》に詳しい学識者を博士,都講,尚復などに任命し,ふつう2,3年にわたって外記曹局,内史局,宜陽殿東廂などで頻繁に集会が持たれ,太政大臣以下多くの公卿・官人が出席して,博士の講義を中心に活発な議論が行われた。全30巻の講究が終了すると,元慶,延喜,承平のときには,侍従所に大臣以下が参集して,盛大な竟宴(きようえん)(講書終了時に催す酒宴)が行われた。宴席では,《書紀》中の聖徳帝王,有名諸臣を題として各自が和歌を作り,その詠歌の声に応じて大歌御琴師が倭琴を弾じ,終わって博士,尚復らが禄を賜って退出した。…

※「竟宴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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