立(漢字)

普及版 字通 「立(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 5画

[字音] リツ・リュウ(リフ
[字訓] たつ・のぞむ・つくる・たてる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
大+一。大は人の立つ正面形。一はその立つところの位置を示す。〔説文〕十下に「(とど)まるなり。大に從ひ、一の上に立つなり」とあり、一定の位置に定立することをいう。金文に「中に立つ」、また「立(位)にく」のように、字を両義に用いる。〔周礼、春官、小宗伯〕「國の位を掌る」の〔注〕に、「位を故書に立に作る」とあり、また〔春官、肆師〕「牲をに用ひ、則ち位を爲す」の〔注〕に「故書に、位を(り)字と爲す」とみえ、立・位・は一系の字で通用することがあった。位に(のぞ)むということから、立法・立制など、すべてものの端緒をなし、創建し、秩序を定め、基調を確立するなどの意に用いる。

[訓義]
1. たつ、正しくたつ。
2. たてにする、おこす、おく。
3. のぞむ、位につく、その場にゆく、とどまる。
4. つくる、あらたにつくる、はじめる、たてる。
5. たちどころに。

[古辞書の訓]
名義抄〕立 ワタル・タツ・タチドコロ・サダム 〔立〕立 タツ・トコロ・ナル・トドマル

[部首]
〔説文〕に端・竦・竢・竭・竣など十八字、〔玉〕に竚(ちよ)・(こう)・竜などを加えて、四十八字を属する。(たん)は巫祝の象で、端は端坐の意。立はおおむね儀礼の場所を示す。竜はの略字であるが、上部は古く辛の形に作り、神聖な鳥獣冠飾の形。鳳の初文もそのような冠飾をもつ鳥の形であった。もと立に従う字ではない。

[声系]
〔説文〕に立声として翊・笠・粒・泣・颯など十字を収めるが、翊(よく)・颯(さつ)などは声が異なる。

[語系]
立lipは)lietと声近く、はその場所にんでこれを修祓する意の字とみられる。位hiutも同系の語であろう。

[熟語]
立案・立意・立異・立飲・立垣・立枷・立家・立饋立脚立教・立極・立勲・立計・立決・立憲・立券・立言・立元・立戸・立後・立功・立后・立号立国・立刻・立冊・立志・立嗣・立事・立侍・立時立春・立身・立人・立錐・立談・立断・立地・立・立嫡・立馬・立辟・立便・立坊・立名立命・立約立論
[下接語]
介立・確立・鶴立・岳立・起立・屹立・却立・虚立・共立・凝立・玉立・群立・勁立・孑立・兼立・孤立・骨立・建立・冊立・削立・立・嗣立・而立・自立・侍立・峙立・樹立・豎立・竦立・新立・人立・正立・成立・設立・創立・立・造立・存立・対立・卓立・端立・中立・佇立・直立・挺立・鼎立倒立・特立・独立・廃立・並立・併立・壁立・擁立・乱立・両立・林立・列立・連立・聯立

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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