突切(読み)つききる

精選版 日本国語大辞典 「突切」の意味・読み・例文・類語

つき‐き・る【突切】

[1] 〘他ラ五(四)〙
① 突いて切る。
太平記(14C後)三一「刀を以て己か額を突(ツキ)切て、血を面に流しかけ」
野原や道などを一直線に横切る。つっきる。
虞美人草(1907)〈夏目漱石〉七「汽車遠慮もなく暗いなかを突切(ツキキ)って行く」
③ つらぬく。突き通す。
[2] 〘自ラ下二〙 突いたために切れる。
※太平記(14C後)三一「義治は太刀かけ、草摺横縫、皆突(ツキ)切れて、威毛計続たるに」

つっ‐き・る【突切】

〘他ラ五(四)〙 「つききる(突切)(一)」の変化した語。
幸若ほり川(室町末‐近世初)「高山岩間より生出たる白つけを八尺五寸につっきって」
塩原多助一代記(1885)〈三遊亭円朝〉七「畑中を突切れば道が近いと」

つき‐きり【突切】

〘名〙 (形動) そっけなく言い放つこと。突きはなした言い方。また、そのさま。
源氏(1001‐14頃)若菜下「はしたなく、つききりなる事、なのたまひそよ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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