空鳴(読み)そらなり

精選版 日本国語大辞典 「空鳴」の意味・読み・例文・類語

そら‐なり【空鳴】

〘名〙
① 鳴らそうという気もないのに、ふと手が触れたり、風に吹かれたりなどして鳴る楽器の音。
みだれ髪(1901)〈与謝野晶子〉はたち妻「そら鳴りの夜ごとのくせぞ狂ほしき汝よ小琴よ片袖かさむ」
② どこからともなく聞こえてくる音。
収穫(1910)〈前田夕暮〉下「山しづかに秋の夜あけぬいづこともわかざるほどの空鳴(ソラナ)りしては」

そら‐なき【空鳴】

〘名〙 そのつもりではないのに、いつわって鳴くこと。
※後撰(951‐953頃)恋二・六二一「天の戸をあけぬあけぬといひなしてそらなきしつる鳥の声哉〈よみ人しらず〉」

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