精選版 日本国語大辞典 「空虚」の意味・読み・例文・類語
くう‐きょ【空虚】
〘名〙 (形動)
① 何もないこと。から。くう。
※経国集(827)一四・奉試賦得照瞻鏡〈小野春郷〉「空虚万象見明処。野魅山精不レ隠レ身」
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)平泉「七宝散りうせて、珠の扉風にやぶれ、金の柱霜雪に朽ちて、既に頽廃空虚の叢と成るべきを」 〔荘子‐天運〕
② 心が無の状態にあること。
※山谷詩集鈔(1647)七「一念不レ起、胸中空虚な処に、吉祥が出くるそ」
③ (━する) 建物や部屋などに人のいないこと。また、人を立ち去らせて、からにすること。
※読本・桜姫全伝曙草紙(1805)二「其の空虚(クウキョ)をうかがひて奪はせたるなるべし」
④ 物事に実質的な内容や価値のないさま。また、充実感や張り合いがなく、むなしいさま。
※倫敦消息(1901)〈夏目漱石〉一「彼等が如何に浮華であるか、彼等が如何に空虚であるか」
うち‐ほら【空虚】
〘名〙 (「うちぼら」とも) 内部が空で広いこと。うつろ。うつ。
※観智院本名義抄(1241)「
大屋也 寛也 クチスボ ウチボラ」

※俳諧・幽蘭集(1799)「内洞のくぼかなるよりもるる月〈素堂〉 油単(ゆたん)をかくる蔦のもみぢ葉〈路通〉」
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