空薫物(読み)そらだきもの

精選版 日本国語大辞典 「空薫物」の意味・読み・例文・類語

そらだき‐もの【空薫物】

〘名〙 来客のときなどに、どこからともなく匂ってくるようにたく香。
※宇津保(970‐999頃)国譲中「例のそらたき物などして参り給ふ」

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世界大百科事典(旧版)内の空薫物の言及

【練香】より

…各種の香料を調合して練り合わせた焚香料(ふんこうりよう)をいう。薫物(たきもの),空薫物(そらだきもの)ともいう。薫物の製法は,平安末の長寛年間(1163‐65),刑部卿範兼が勅命により抄集したという《薫集類抄》によれば,沈香(じんこう),麝香(じやこう)など植物質,動物質の40種以上の材料を薬研(やげん)で細粉とし,蜜,庶糖,厴(へた)(貝ぶた)の膠質,梅干し,大豆汁,おねばなどで練り合わせたとあるが,材料を一時埋めておく日数や方角まで多くの秘法が伝承されたという。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」