空目(読み)ソラメ

デジタル大辞泉 「空目」の意味・読み・例文・類語

そら‐め【空目】

[名](スル)
実際にはないものが見えたような気がすること。「見たと思ったが、空目だったのかも知れない」
ひとみを上にあげて見ること。うわめ。
もんは安心してよこになり、―をして」〈犀星・あにいもうと〉
見ていながら見ないふりをすること。
「―して死なせてたも」〈浄・会稽山

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精選版 日本国語大辞典 「空目」の意味・読み・例文・類語

そら‐め【空目】

〘名〙
① 見まちがえること。ありもしないものを見たように思うこと。見まちがえ。見誤り。また、めききの誤り。めがね違い。
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「里人をほむるぞそらめなる」
② 見て見ないふりをすること。目をそらすこと。また、わきの方を見ること。わき見。
※為相本曾丹集(11C初か)「遠山田穂波うち過ぎ出でにけりいまは見守もそらめすらしも」
③ ひとみを上にあげて見ること。うわめ。
※あにいもうと(1934)〈室生犀星〉「もんは安心して横になり、そら眼をして、ちょっといい男ぢゃないの母さんと云った」
④ 遠く空に目をやること。うつろであること。放心状態であること。また、その目。
※成尋母集(1073頃)「返す返す、例のそらめのみしつつ過ぐす」

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