空漠(読み)クウバク

デジタル大辞泉 「空漠」の意味・読み・例文・類語

くう‐ばく【空漠】

[ト・タル][文][形動タリ]
果てしなく広いさま。茫漠ぼうばく。「空漠とした大洋
漠然としてとらえどころがないさま。「空漠とした不安」
[名・形動]
1に同じ。
「此―の荒野あらぬには、音信おとずれも無し、影も無し」〈上田敏訳・海潮音
2に同じ。
「如何に―なる主人でも」〈漱石吾輩は猫である
[類語](1漠漠広いだだっ広い広やか広大広壮広闊こうかつ開豁かいかつ広漠茫漠茫茫渺茫びょうぼう茫洋洋洋幅広はばびろワイド広角広広蒼茫渺渺びょうびょう豁然かつぜん広域空闊くうかつ浩浩広大無辺無辺無辺際一望千里果てし無い手広い/(2空虚空疎空白から空っぽうつろブランク

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精選版 日本国語大辞典 「空漠」の意味・読み・例文・類語

くう‐ばく【空漠】

〘名〙 (形動ナリ・タリ)
① 目をさえぎる何物もなく広いこと。果てしなく広がっていること。また、そのさま。〔布令字弁(1868‐72)〕
※海潮音(1905)〈上田敏訳〉大饑餓「此空漠(クウバク)荒野には、音信もなし、影もなし」
実質や中心がなく、漠然としていること。つかみどころがないこと。とりとめがないこと。また、そのさま。
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉二「空しく、空漠(クウバク)たる理論を攻(たづ)ねて」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一〇「如何に空漠なる主人でも」
③ 広大な砂原砂漠

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普及版 字通 「空漠」の読み・字形・画数・意味

【空漠】くうばく

ひろびろ。

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