空也念仏(読み)クウヤネンブツ

デジタル大辞泉 「空也念仏」の意味・読み・例文・類語

くうや‐ねんぶつ【空×也念仏】

平安中期に空也上人が始めたと伝えられる念仏。念仏の功徳により、極楽往生が決定した喜びを表してひょうたん・鉢・かねなどをたたきながら、節をつけて念仏や和讃わさんを唱えて踊り歩くもの。空也踊り。踊り念仏。鉢たたき。

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精選版 日本国語大辞典 「空也念仏」の意味・読み・例文・類語

くうや‐ねんぶつ【空也念仏】

〘名〙 空也上人光勝が始めた踊念仏。鹿の角の杖を持ち、彌陀の名号を唱え、瓢箪(ひょうたん)鉢をたたき、鉦(しょう)を鳴らし、歓喜の情を表わして踊り歩くもの。宗として独立したものではないが、天台宗に属し、京都空也堂を本山とする。空也宗、空也派ともいう。鉢叩(はちたたき)。空也踊。空也堂踊念仏。《季・冬》
風俗画報‐四三号(1892)人事門「空也念仏は踊躍(ゆやく)念仏といふ」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「空也念仏」の意味・わかりやすい解説

空也念仏
くうやねんぶつ

空也の始めた念仏と伝えられる。空也が弟子平定盛に教えたといわれる。ひょうたんや鉦 (かね) をたたきつつ,踊りながら称える念仏で,のちの一遍の念仏の源流ともみられる。比叡山の「山の念仏」に対し,広く一般民衆に受入れられ,『日本往生極楽記』の記述などによると広く行われたとみられる。

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