穏健な多党制(読み)おんけんなたとうせい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「穏健な多党制」の意味・わかりやすい解説

穏健な多党制
おんけんなたとうせい

複数ある政党のいずれも単独議会過半数を獲得できず,一般に連立政権が形成される政党制イタリアの政治学者ジョバンニ・サルトリが分類した政党制の一つ。特徴として,(1) 政党数が 3~5,(2) 政党間のイデオロギーの距離が比較的小さく,大きな反体制政党がない,(3) 連合政権軸が二極のみで,分極化していない,(4) 政党間競合が求心的で,ほぼすべての政党が政権指向型政党である,などがあげられる。多党制は政局不安定につながりやすいという一般的な印象とは異なり,実際にはドイツスウェーデンなどのように安定した連立政権がみられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android