穂高神社(読み)ほたかじんじゃ

精選版 日本国語大辞典 「穂高神社」の意味・読み・例文・類語

ほたか‐じんじゃ【穂高神社】

長野県南安曇郡穂高町にある神社。旧国幣小社。祭神は、穂高見命・綿津見命・瓊瓊杵命。本宮奥宮とがあり、奥宮は上高地にある。信濃三社の一つ。

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デジタル大辞泉 「穂高神社」の意味・読み・例文・類語

ほたか‐じんじゃ【穂高神社】

長野県安曇野あづみの市にある神社。祭神は、穂高見命・綿津見命わたつみのみこと瓊瓊杵尊ににぎのみこと上高地に奥宮がある。

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日本歴史地名大系 「穂高神社」の解説

穂高神社
ほたかじんじや

[現在地名]穂高町大字穂高 穂高本郷

からす川扇状地の末端に展開した穂高本郷ほたかほんごうの地に日本アルプスを背景に東向きに位置している。祭神は穂高見命・瓊々杵尊・綿津見命としている。文献上の初見は「延喜式」で、「穂高神社名神」と記されている。安曇氏の奉斎した神社。

穂高に坐す神社ともいうが、一方「新撰姓氏録」によると、右京の安曇宿禰は「海神綿積豊玉彦神子穂高見命之後也」、河内の安曇連は「綿積神命児穂高見之後也」とあって、海神穂高見命を祀る神社のようにも考えられる。「三代実録」貞観元年(八五九)二月一一日の条には「宝宅神」とあって、従五位下より従五位上に昇進している。祭神は古くは一座であったが、中世三宮を称し、本殿を大宮・南宮・若宮の三殿としている。天文一八年(一五四九)の「造宮定日記」の題籤に「穂高正一位五所大明神」とあるように五所(祭神不明)を称してもいる。

明応一〇年(一五〇一)の三宮穂高社御造宮定日記(穂高神社蔵)によると、「和名抄」所載の安曇郡の高家郷・八原郷・前科郷・村上郷の四郷のうち前の三郷の地域の郷村が造営奉仕をしている。この三郷の中世における所役のあり方をみるに、大宮の造営所役をしている村は、穂高・柏原かしわばら白金しろかね草深くさぶか萱灰かいばい両条・橋爪はしづめ耳塚みみづか(以上現穂高町)船方ふなかた(現北安曇郡松川村)池田いけだ・庄科(以上現北安曇郡池田町)、南宮御宝殿は北等々力きたとどろき(現穂高町)、二階御門屋一宇は飯田いいだ熊倉くまぐら両条・中曾根なかぞね戸間とま唐笠木からかさぎ成合なりあい間々部ままべ寺所てらどこ(以上現豊科とよしな町)中萱なかがや及木およびき二木ふたつぎにれ村・久木両条・長尾ながお(以上現三郷みさと村)氷室ひむろ大妻おおづま内宮高・角懸・からもも(以上現梓川あずさがわ村)住吉庄の領域、若宮御宝殿は、犬甘島いぬかいじま平瀬ひらせ小宮こみや(以上現松本市島内)、御柱(四本)は、大穴おおあな荻原おぎはら(以上現東筑摩ひがしちくま明科あかしな町)重柳しげやなぎ針俣はりまた(以上現豊科町)猪鹿いが(現穂高町)(神)(現北安曇郡松川村)多々井たたい(現堀金ほりがね村)山本やまもと古幡ふるはた(以上現梓川村)、御鳥居は、田毛見たけみ(現北安曇郡池田町)狐島きつねじま(現穂高町)堀金ほりがね(現堀金村)、御玉垣は、細野ほその板取いたどり北大和田きたおおわだ(以上現北安曇郡松川村)賀治屋毛見かじやけみ(現穂高町)、荒垣は、菅(須)(現大町市)細萱ほそがや(現豊科町)、舞台は前見保(現北安曇郡池田町)、庁屋は、古厩ふるまや・南等々力(以上現穂高町)の所役となっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「穂高神社」の意味・わかりやすい解説

穂高神社
ほたかじんじゃ

長野県安曇野(あづみの)市穂高に本宮、松本市上高地(かみこうち)明神(みょうじん)池のほとりに奥宮が鎮座。祭神は穂高見命(ほたかみのみこと)、綿津見(わたつみ)命、瓊瓊杵(ににぎ)命。海神綿津見命を祖とする阿曇連(あずみむらじ)(安曇氏)が奉祀(ほうし)した古社で、859年(貞観1)には従(じゅ)五位上の神階を授けられた。『延喜式(えんぎしき)』にも名神大社と登載され、諏訪(すわ)大社、生島足島(いくしまたるしま)神社とあわせて信濃(しなの)三社とよばれる。旧国幣小社。9月27日の例祭御船祭、県の無形民俗文化財)のほか、20年ごとの御遷座(ごせんざ)祭は盛大な神事である。

[菟田俊彦]

『宮地直一著『安曇族文化の信仰的表徴』(1949・穂高神社社務所)』


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百科事典マイペディア 「穂高神社」の意味・わかりやすい解説

穂高神社【ほたかじんじゃ】

長野県穂高町(現・安曇野市)に鎮座。旧国幣小社。祭神は穂高見命などで,穂高岳に鎮座して梓川流域を開拓したと伝える。延喜式内の名神大社に比定される。例祭は10月8日。20年ごとに遷宮がある。ほかに奉射神事(3月17日),御船祭(9月27日)。
→関連項目春祭穂高[町]

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事典・日本の観光資源 「穂高神社」の解説

穂高神社

(長野県安曇野市)
信州の神社百選」指定の観光名所。

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