新訂 政治家人名事典 明治~昭和 「穂積 八束」の解説
穂積 八束
ホズミ ヤツカ
- 肩書
- 貴院議員(勅選),東京帝大法科大学学長
- 生年月日
- 万延1年2月25日(1860年)
- 出生地
- 伊予国宇和島(愛媛県)
- 学歴
- 東京大学文学部政治学科〔明治16年〕卒
- 学位
- 法学博士
- 経歴
- 祖父重麿以来の国学者の家に生まれる。藩校明倫館で水戸の国学者山内憲元に師事。明治17年ドイツに留学、ベルリン大学、ストラスブルク大学各大学で学び、のちハイデルベルク大学に転じ、ラバント教授のもとで国法学を学んで21年帰国。東京帝大教授となり、憲法講座を担当した。ドイツ留学中に学んだ君主絶対主義の立場にたつ憲法論を唱え、台頭しつつあった民権学派の憲法理論に対して反対論を展開。旧民法の施行に際しては「民法出デテ忠孝亡ブ」という論文を発表、施行延期派の旗手となり、民法に家長権尊重を盛り込ませることに大きな役割を果たした。30年東京帝大法科大学学長、32年勅選貴院議員。大正元年の上杉・美濃部論争では、美濃部達吉の天皇機関説を批判した。著書に「憲法大意」「穂積八束博士論文集」など。
- 没年月日
- 大正1年10月5日
- 家族
- 兄=穂積 陳重(法学者)
出典 日外アソシエーツ「新訂 政治家人名事典 明治~昭和」(2003年刊)新訂 政治家人名事典 明治~昭和について 情報