稲沢(読み)いなざわ

精選版 日本国語大辞典 「稲沢」の意味・読み・例文・類語

いなざわ いなざは【稲沢】

愛知県北西部、濃尾平野中央部の地名。古くは国府国分寺が置かれ、尾張国政治文化中心地で、天正年間(一五七三‐九二美濃街道が開かれ宿場町稲葉宿)として発展した。昭和三三年(一九五八市制

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デジタル大辞泉 「稲沢」の意味・読み・例文・類語

いなざわ〔いなざは〕【稲沢】

愛知県北西部の市。美濃街道の宿駅稲葉いなばから発展。古代尾張国府の置かれた地で、国府宮こうのみや裸祭りでにぎわう。人口13.6万(2010)。

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改訂新版 世界大百科事典 「稲沢」の意味・わかりやすい解説

稲沢[市] (いなざわ)

愛知県西端にある市。2005年4月旧稲沢市が祖父江(そぶえ)町と平和(へいわ)町を編入して成立した。人口13万6442(2010)。

稲沢市中東部の旧市。濃尾平野のほぼ中央にある。1958年市制。人口10万0270(2000)。古くは尾張の国府が置かれ,現市街地の東方約1kmの松下国衙(こくが)跡と総社国府宮跡(大国霊神社)がある。現市街は江戸時代に美濃街道の宿駅〈稲葉宿〉として発達したもので,当時は本陣・脇本陣各1が置かれていた。1904年東海道本線稲沢駅が開業し,25年に全国有数の操車場が造られた。その後機能を失った跡地も95年に〈尾張西部都市拠点地区〉に指定され生まれかわろうとしている。付近一帯は江戸時代から自然堤防を利用したホウレンソウ,大根(切干し大根)などの蔬菜や苗木・植木栽培で知られる。工業では毛織物などの繊維工業をはじめ,機械,化学,電気,非鉄金属等の工場が進出している。第2次世界大戦後,名古屋のベッドタウンとして住宅団地の建設が進められてきた。大国霊神社の裸祭(旧暦1月13日)は有名。
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稲沢市西部の旧町。旧中島郡所属。人口2万3163(2000)。木曾川下流東岸の沖積低地に位置し,西は岐阜県に接する。米作,野菜栽培を中心とする農業が行われてきたが,近年は施設園芸,花卉,苗木などの栽培が盛んになっている。旧一宮市,旧尾西市の機業地に近接していることから,織布業,繊維加工業,縫製業の工場が多数立地する。東部を名鉄尾西線が通り,住宅地としても発展している。

稲沢市南西部の旧町。旧中島郡所属。人口1万3505(2000)。濃尾平野西部にあり,東を三宅川,北西から南東へ日光川,南を領内川が流れる。古くから毛織物業が盛んで,現在も工場数の約45%(1994)が繊維関係であるが,金属,機械や食品加工などの工場もある。農業は米作のほか,ミツバ,ネギ,パセリなどの野菜や植木,苗木,花卉の栽培が行われる。西部を名鉄尾西線,中央部を国道155号線が通じ交通の便がよいので,名古屋市のベッドタウンともなっている。織田信長の祖父が築き,信長が生まれた勝幡(しよばた)城跡が残る。
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