種麹
たねこうじ
培養材料として米、麦、大豆などを使用し、麹菌をできるだけ純粋かつ十分に発育繁殖させ、麹菌の分生胞子を多量に着生させ、それを集めて製品としたものをいう。この種麹によって甘酒、清酒、みそ、しょうゆなどの麹を製造する(これを製麹(せいきく)という)。種麹の多くは種麹業者によって製造される。市販品の種麹には米麹用、麦麹用、みそ麹用、豆麹用など多数の種類がある。種麹の本体はニホンコウジカビAspergillus oryzaeであり、これを培養材料に植え付け、適度の水分と温度を与えて、発育を促進させる。種麹をつくるニホンコウジカビには多数の品種があり、麹となったときの香気の状態、糖化力の強弱、タンパク質分解力の強弱などにはさまざまな差があり、用途によって品種を決定する。
[曽根田正己]
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種麹
たねこうじ
麹かびの胞子をつけた麹を乾燥させたもの。酒税法 (昭和 28年法律6号) により免許を受けた者が製造する。製法は,粗白米を蒸し木灰を混ぜてよくもみ,適温に冷えたところで原菌をまいて,約1週間普通の麹づくりのように培養し,低温で水分 10%まで乾燥させてつくる。消費者,醸造業者は目的に応じた種麹を買求め,これを種として麹をつくるが,その使用量は原料 150kgに対して種麹 110~150gである。
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たね‐こうじ ‥かうぢ【種麹】
〘名〙 麹を作るたね。蒸米などの上に、コウジカビを繁殖させたもの。
※東京大正博覧会出品之精華(1914)〈古林亀治郎〉六「種麹の純粋培養を行ひつつ」
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デジタル大辞泉
「種麹」の意味・読み・例文・類語
たね‐こうじ〔‐かうぢ〕【種×麹】
麹をつくるもと。コウジカビを繁殖させた粉砕穀物やふすまなどで、醤油・味噌など用途別に異なる菌種・材料でつくられる。
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