稜稜(読み)りょうりょう

精選版 日本国語大辞典 「稜稜」の意味・読み・例文・類語

りょう‐りょう【稜稜】

〘形動タリ〙
① かど立つさま。鋭くきびしいさま。
※南游集(1364頃)和草庵首座山居「湛々禅心清似水、稜稜老骨痩如柴」
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉二「母が圭角稜々(レウレウ)たる水晶なら」 〔梁武帝‐答陶弘景論書書〕
寒気のきびしいさま。寒さが肌にしみるさま。
竹外二十八字詩前編(1854)上・冬夜下澱江「布衾夢破銕稜稜、鴈打寒更水欲冰」
花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉上「月影稜々(リャウリャウ)として白きこと氷の如く」 〔鮑照‐蕪城賦〕

そばそば‐し【稜稜】

〘形シク〙
① かどばっている。かどだつ。
※承徳本古謡集(1099)北御門の御神楽優婆塞(うばそこ)が行ふ山の椎が本あな曾者曾者之(ソバソバシ)常世しあらねば」
② よそよそしい。しっくりいかない。親しくない。
源氏(1001‐14頃)桐壺弘徽殿女御、又この宮とも御中そはそはしき故、うちそへて、もとよりの憎さもたち出でて」
そばそばし‐げ
〘形動〙
そばそばし‐さ
〘名〙

そば‐そば【稜稜】

〘形動〙
① とがってかどばっているさま。〔観智院本名義抄(1241)〕
② よそよそしいさま。しっくりしないさま。
※苔の衣(1271頃)一「なにとなくそばそばなるやうにてつねに対面などかたくて」

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デジタル大辞泉 「稜稜」の意味・読み・例文・類語

りょう‐りょう【××稜】

[ト・タル][文][形動タリ]
かどだっているさま。また、気性などが厳しいさま。「稜稜たる山々」「気骨稜稜たる人」
寒さが厳しいさま。「稜稜たる寒気」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「稜稜」の読み・字形・画数・意味

【稜稜】りようりよう

寒さの厳しいさま。骨ばむ。宋・辛棄疾〔最高楼、客に棋に敗れたる者有り。代りて梅を賦す〕詞 稜稜地、天然に白く 冷地、許多の香り

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