称名念仏(読み)しょうみょうねんぶつ

精選版 日本国語大辞典 「称名念仏」の意味・読み・例文・類語

しょうみょう‐ねんぶつ ショウミャウ‥【称名念仏・唱シャウ名念仏】

〘名〙 口に仏の名をとなえ、心の内に仏を念ずること。
※浄土三教往生文類(1257)「『无量寿仏観経』には、定善散善・三福・九品の諸善あるいは自力称名念仏をときて」

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百科事典マイペディア 「称名念仏」の意味・わかりやすい解説

称名念仏【しょうみょうねんぶつ】

称名は仏菩薩,特に阿弥陀仏の名を称えること。〈南無阿弥陀仏〉を称えて極楽浄土を願うのが称名念仏で,口称(くしょう)念仏ともいう。発生期浄土教では,称名念仏を死霊鎮送の呪術的機能としてとらえていた。空也(くうや)は称名念仏の自己救済的利益も広く民衆に説き,やがて念仏者自身の極楽往生を期する法然浄土宗が開かれる。→念仏

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世界大百科事典(旧版)内の称名念仏の言及

【浄土宗】より

…法然によって開かれた仏教の一宗派。《無量寿経》《観無量寿経》《阿弥陀経》の三経(浄土三部経)とインドの世親の著した《浄土論》を正依の経論とし,称名(しようみよう)念仏(南無阿弥陀仏と口に称える)によって,阿弥陀仏の極楽浄土へ往生することを期す。唐の善導を高祖,法然を宗祖とする。…

【念仏】より

…仏・菩薩の相好や功徳を心におもい浮かべたり,またその名号を口に唱えること。前者を観想念仏といい,後者を称名(しようみよう)念仏という。念仏には釈迦,薬師,弥勒,観音などの念仏もあるが,阿弥陀仏の念仏が代表的で,ふつう念仏といえば,阿弥陀仏の相好やその誓願のことを憶念したり,〈南無阿弥陀仏〉の6文字の名号を口に唱えることをいう。…

※「称名念仏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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