租・庸・調[日本](読み)そ・よう・ちょう[にほん]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「租・庸・調[日本]」の意味・わかりやすい解説

租・庸・調[日本]
そ・よう・ちょう[にほん]

日本の律令制下の税制度。唐の均田制および税制にならい,律令制度の税制のうちの基本をなすもので班田収授法によって口分田を与えられた公民に毎年課せられた。租は口分田1反 (約 9.9a) につき稲2束2把 (約 11kg) ,のちに度量衡制が改正されて1束5把となったが,実量は変りなく収穫量の約3%にあたっていた。庸・調は成年男子 (20~60歳) にかかる人頭税で,庸は歳役 10日の代りに,麻布2丈6尺もしくは米,塩などその土地の産物を納める。調は『日本書紀』崇神天皇の条に男には弓弭 (ゆはず) 調,女には手末 (たなすえ) 調を課したとあり,古代の税制の一種であった。律令制下では,絹,糸,綿,布その他の産物を納めさせた。庸・調ともに中央政府の費用にあてられたので,毎年8~12月の間に公民によって大蔵省に運ばせ,その運搬労力と費用は庸・調を納める公民の負担であった。 10世紀頃荘園制が展開されると,律令的租税体系は崩壊,消滅した。

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