租・庸・調[中国](読み)そ・よう・ちょう[ちゅうごく]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「租・庸・調[中国]」の意味・わかりやすい解説

租・庸・調[中国]
そ・よう・ちょう[ちゅうごく]

おもに中国の隋,唐前期の税制度で,土地制度の均田制表裏をなす。均田法の行なわれた時期にはすべて丁男(21~59歳,年代により変化がある)対象の均一賦課を原則として,毎年課せられた。漢代には収穫の 30分の1が田租とされ,北朝から隋,唐にかけて均田法の行なわれた時期には,夫婦で粟 2石,あるいは丁男 1人あたり粟 2石のごとく人頭賦課で徴収された。庸は都とその周辺で国家土木事業に従事させるもので,年間 20日の役(徭役)があった。しかし就役を命じないときには,代償として 1日あたり絹 3尺(もしくは麻布 3.75尺)を納めさせ,これも庸といった。調は繊維製品で絹 2丈と真綿 3両あるいは麻布 2丈半と麻糸 3斤を納めさせた。庸・調一括して絹 2匹,麻布なら 2端徴収することもあった。盛唐時代になると農民の階層分化が進み,均田法が有名無実化するにつれて租・庸・調の比重も低下し,両税法制定にいたって消滅した。(→租・庸・調日本〉)

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