秋里籬島(読み)あきざと・りとう

朝日日本歴史人物事典 「秋里籬島」の解説

秋里籬島

没年文政末年(1830頃)
生年:生年不詳
江戸時代の読本作者。名は舜福,字は湘夕。仁左衛門と称した。籬島は号。京都の人。安永9(1780)年に刊行した『都名所図会』が大いに当たり,それ以降,画工を連れて諸国を実際に踏査し,『大和名所図会』『東海道名所図会』などを出版。大本で多くの挿絵を有するこうした「名所図会」は,その後流行したが,籬島はその先駆者である。また,軍記物を平易な文章にし,名所図会に倣って大本でそれに挿絵を多く入れた『源平盛衰記図会』を,寛政12(1800)年に刊行。これはまた,読本における「図会物」というジャンルの嚆矢となった。その他,俳書辞書,作庭の書など,幅広い方面において40冊におよぶ著書がある。

(樫澤葉子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「秋里籬島」の解説

秋里籬島 あきざと-りとう

?-? 江戸時代中期-後期の読み本作者,俳人
京都の人。安永-文政(1772-1830)のころ活躍。「都名所図会」のほか各地を取材旅行しておおくの名所案内書を出版,挿絵入り軍記物語,俳諧(はいかい)入門書などもあらわした。名は舜福。字(あざな)は湘夕。通称仁右衛門。著作に「源平盛衰記図会」「誹諧早作伝」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android