20世紀日本人名事典 「秋田 雨雀」の解説
秋田 雨雀
アキタ ウジャク
明治〜昭和期の劇作家,小説家,児童文学作家,社会運動家
- 生年
- 明治16(1883)年1月30日
- 没年
- 昭和37(1962)年5月12日
- 出生地
- 青森県南津軽郡黒石町(現・黒石市)
- 本名
- 秋田 徳三
- 学歴〔年〕
- 東京専門学校(現・早稲田大学)英文科〔明治40年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 黒石市名誉市民〔昭和35年〕
- 経歴
- 中学時代から島崎藤村の影響を受け詩を志す。東京専門学校在学中の明治37年詩集「黎明」を刊行。18篇を収め唯一の単行詩集となった。卒業後は島村抱月に認められて40年処女小説「同性の恋」を発表し、以後新進作家として活躍。イプセン会の書記をつとめ、戯曲への関心を深める。42年小山内薫の自由劇場に参加。大正2年には芸術座創立に参加するが、3年に脱退し、美術劇場を結成。以後、芸術座、先駆座などに参加。4年エロシェンコを知り、エスペラントを学ぶ。8年頃から童話を試みる。10年日本社会主義同盟に加わり、13年フェビアン協会を設立。昭和2年ソ連を訪れ、3年国際文化研究所長、4年プロレタリア科学研究所所長に就任。6年日本プロレタリア・エスペラント同盟を創立。9年新協劇団結成に参画し事務長となり、「テアトロ」を創刊。15年検挙される。戦後も活躍し、23年舞台芸術学院院長、24年共産党に入党、25年には日本児童文学者協会会長に就任した。代表作に「幻影と夜曲」「埋れた春」「国境の夜」「骸骨の舞跳」、童話集「東の子供へ」「太陽と花園」などがあり、ほかに「雨雀自伝」「秋田雨雀日記」(全5巻)がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報