秋月(読み)アキヅキ

デジタル大辞泉 「秋月」の意味・読み・例文・類語

あきづき【秋月】

福岡県朝倉市北部の地名。もと秋月藩城下町

しゅう‐げつ〔シウ‐〕【秋月】

秋の夜の月。「春花秋月

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「秋月」の意味・読み・例文・類語

あきづき【秋月】

[1] 〘名〙 (秋月長門守の屋敷から作り出されたことから) 牛の革に黒漆を塗った印籠長門印籠異称
※万金産業袋(1732)三「本長門印籠をば、なべて秋月といふ。江戸にては取わき、世人もてはやし賞翫す」
[2] 福岡県甘木市の地名。山に囲まれた要害の地で、秋月藩黒田氏五万石の城下町として栄えた。

しゅう‐げつ シウ‥【秋月】

〘名〙 秋の夜の月。
文華秀麗集(818)下・奉和観落葉〈滋野貞主〉「聞道琁璣秋月暮 聖年宮樹待黄飛
※中華若木詩抄(1520頃)上「春花秋月も、わかき時のやうに、面白もないぞ」 〔陶潜‐四時詩〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「秋月」の意味・わかりやすい解説

秋月
あきづき

福岡県中部、朝倉市(あさくらし)北部の一地区。ツゲ原生林で有名な古処山(こしょさん)の麓(ふもと)にあり、中世以来秋月氏17代の城下町であったが、豊臣秀吉(とよとみひでよし)による日向(ひゅうが)高鍋(たかなべ)への移封ののち、城も廃された。1623年(元和9)黒田長政の三男黒田長興(ながおき)が5万石で福岡藩の支藩として分封され幕末まで城下町として栄え、藩主の文教留意で多くの人材を出した。1876年(明治9)旧秋月藩士宮崎車之助(しゃのすけ)ら九州の士族が集まり、秋月の乱を起こした。現在、藩政時代の城門、堀、石垣などが残り、秋月郷土館もある。城跡は学校に、士族屋敷はナシ畑などに変わったが、城下町の名残(なごり)を町並みなどに残し観光地になっている。1998年(平成10)国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。

[石黒正紀]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「秋月」の意味・わかりやすい解説

秋月
あきづき

福岡県中部,朝倉市北部の旧町域。 1893年町制施行。 1954年甘木町ほか8村と合体して甘木市となり,2006年杷木町,朝倉町と合体して朝倉市となる。筑後川の支流,小石原川の渓谷に沿う閑静な旧城下町で,遺構が多く残る。秋月郷土館,眼鏡橋のほか,背後にカルスト地形と城跡で知られる古処山があり,国指定特別天然記念物の古処山ツゲ原始林もみられる。付近は筑後川県立自然公園に属する。 1876年に起こった士族の反乱秋月の乱で知られる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「秋月」の意味・わかりやすい解説

秋月 (あきづき)

筑前国(福岡県)夜須郡の城下町。戦国時代末に秋月氏の城下として成立したが,秋月種実の移封により衰亡。1624年(寛永1)黒田長政の次男長興が5万石を分与されて入部,野鳥川を挟んで武家屋敷および町屋を配し,城下町として整備した。しかし地理的関係から城下町に集まる商品は少なく,産物も葛粉,元結,鬢付(びんづけ)ぐらいであった。幕末に原古処(こしよ)・采蘋(さいひん)父娘らの文人を輩出した。1893年町制。1954年甘木町などと合体し,甘木市となり,2006年朝倉市となった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

普及版 字通 「秋月」の読み・字形・画数・意味

【秋月】しゆうげつ

秋の月。

字通「秋」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「秋月」の解説

秋月 (シュウゲツ)

学名:Rosa hybrida
植物。バラ科の落葉低木

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の秋月の言及

【甘木[市]】より

…福岡県中部の市。1954年甘木町,秋月町と安川,上秋月,立石,三奈木,金川,蜷城(ひなしろ),福田,馬田の8村が合体,市制。人口4万2702(1995)。…

※「秋月」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android