私心（読み）ししん

精選版 日本国語大辞典

し‐しん【私心】

〘名〙

① 自分一個人としての気持。私意。

※清原国賢書写本荘子抄（1530）五「無私は私心なき也」 〔司馬遷‐報任少卿書〕

② 私欲をむさぼる心。利己心。

※信長記（1622）六「天下国家のため思ふべき者は、私心(シシン)をさって」

※太政官（1915）〈上司小剣〉九「私心私情私慾の為めに、村治を左右されて」

わたくし‐ごころ【私心】

〘名〙 私的な感情。個人的な感情。転じて、ひそかに恋い慕う心。

※青表紙一本源氏（1001‐14頃）東屋「むつかしきわたくし心の添ひたるも、苦しかりけり」

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

わたくし‐ごころ【私心】

１ 自分の利益ばかりを考える心。また、個人的な感情。ししん。「私心のない人」
２ ひそかに恋い慕う心。
「むつかしき―の添ひたるも苦しかりけり」〈源・東屋〉

し‐しん【私心】

１ 一個人としての気持ち。自分一人の考え。私意。「私心を述べる」
２ 自分一人の利益を図る心。利己心。私情。「私心を捨て去る」

出典　小学館

普及版 字通

【私心】ししん

私意。

字通「私」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」