福済寺(読み)ふくさいじ

精選版 日本国語大辞典 「福済寺」の意味・読み・例文・類語

ふくさい‐じ【福済寺】

長崎市筑後町にある黄檗(おうばく)宗の寺。山号は分紫山。寛永五年(一六二八)在留中国人が故国から覚海(悔)を招いて創立建物は中国様式で異彩をはなっていたが原爆焼失。昭和二六年(一九五一再興。嫂州寺。

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日本歴史地名大系 「福済寺」の解説

福済寺
ふくさいじ

[現在地名]長崎市筑後町

分紫山と号し、黄檗宗本尊釈迦如来。当初は船神馬祖を祀る小堂であったが、福建省泉州・州の人々が多く帰依したので、しだいに泉州寺と号し、また州寺とも称された。興福こうふく寺・崇福そうふく寺とともに唐三ヵ寺とされる。寛永五年(一六二八)明から来た覚悔を開基とする。唐人による寺院の建立は先祖の供養と海上安全を祈願することはもちろんながら、キリシタン弾圧の厳しい長崎で州出身の船主らはその宗教上の余計な取締を避けることが目的でもあったという。長崎奉行の許可が出ると陳冲一とその子の潁川藤左衛門が檀主となって創立された(長崎実録大成)。慶安元年(一六四八)紫雲山開元寺の重興開山となった蘊謙戒渡来、分紫山を当寺の山号とした。

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