福の神(読み)フクノカミ

デジタル大辞泉 「福の神」の意味・読み・例文・類語

ふくのかみ【福の神】[狂言]

狂言年の暮れ二人信者出雲大社参詣すると、福の神が現れて、神酒を所望し、富貴になる心得を語る。

ふく‐の‐かみ【福の神】

福運をもたらすと信じられる神。七福神など。福天ふくでんふくじん。

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改訂新版 世界大百科事典 「福の神」の意味・わかりやすい解説

福の神 (ふくのかみ)

狂言の曲名脇狂言大蔵,和泉両流にある。福の神の神前で恒例の年取りをしようと,2人の参詣人が連れ立って出かける。豆をまいて囃すところへ,明るい大きな笑い声をあげて福の神が出現する。福の神は両人の参詣を喜び,神酒(みき)を所望したうえで,早起き慈悲,夫婦和合,隣人愛の徳を説き,自分のような福の神には神酒や供え物をたっぷりせよと,謡い舞い,また朗らかに笑って退場する。登場は参詣人2人と福の神の3人で,福の神がシテ。能における脇能に似て,神仏が示現して人間に祝福を授けるという構想とテーマを,歌舞によって表現する。脇能に笑いの要素をとり込み簡略化した感がある。シテは,役名と同じ専用面をかける。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「福の神」の意味・わかりやすい解説

福の神
ふくのかみ
Ploutos

ギリシアアリストファネス喜劇。前 388年上演。現存するアリストファネスの最後作品。かつての自由奔放な攻撃批判に満ちた古喜劇の精神が影をひそめて平俗な滑稽に堕し,合唱隊の役割も無に等しく,古喜劇から中喜劇への移行を示す。

福の神
ふくのかみ

「ふくじん」ともいう。七福神などのように,人々に幸福や利益を授ける神とされ,古くから民間信仰として,形代 (かたしろ) などを祀って信じられてきた。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「福の神」の解説

福の神
〔常磐津〕
ふくのかみ

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
明治30.1(東京・明治座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

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