(読み)きんずる

精選版 日本国語大辞典 「禁」の意味・読み・例文・類語

きん‐・ずる【禁】

〘他サ変〙 きん・ず 〘他サ変〙
① 許さない。禁止する。
古事談(1212‐15頃)一「此間右大臣〈法興院殿〉春宮固諸陣出入 云云」
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)室の八島「将(はた)、このしろといふ魚を禁ず」
② おしこめる。外へ出さない。禁固する。
※続日本紀‐天平一二年(740)一一月戊子「菅成以下従人已上、及僧二人者、禁正身大宰府
③ (多く「禁じ得ない」の形で用いる) 自分の気持などをおしとどめる。
山槐記‐仁安二年(1167)二月一一日「霊験炳焉、感涙難禁」
驟雨(1900)〈国木田独歩〉下「冷やかなる涙の我頬をつたふるを禁(キン)じ得なかった」

きん【禁】

〘名〙 禁じられていること。禁じていること。おきて。法度(はっと)
太平記(14C後)三五貞永に五十一箇条の式目を定めて裁許に滞らず、されば上に敢へて法を破らず、下に又禁(キン)を犯さず」 〔礼記‐曲礼上〕

きん・じる【禁】

〘他ザ上一〙 (サ変動詞の「禁ずる」が上一段活用に転じた語) =きんずる(禁)
大阪の宿(1925‐26)〈水上滝太郎〉一二「一種痛快な感想を禁じる事が出来なかった」

きん‐・ず【禁】

〘他サ変〙 ⇒きんずる(禁)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「禁」の意味・読み・例文・類語

きん【禁】[漢字項目]

[音]キン(漢) [訓]いさめる
学習漢字]5年
ある行為に枠をはめて差し止める。「禁煙禁止禁酒禁制禁断禁欲厳禁
かってな行為を差し止めるための一定の枠。おきて。「解禁国禁大禁
一定の場所に閉じこめる。「禁錮監禁拘禁軟禁
特別な人以外は出入りを許されない場所。宮中。「禁苑禁門禁裏
忌み避ける。「禁忌禁句

きん【禁】

禁じられていること。また、その事柄。「を解く」「を犯す」
[類語]禁止禁制禁断禁令禁遏きんあつ禁圧厳禁無用法度はっと差し止め駄目だめ禁忌(―する)禁ずる取り締まる制する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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