神鍋山(読み)かんなべやま

日本歴史地名大系 「神鍋山」の解説

神鍋山
かんなべやま

栗栖野くりすの太田ただの境界上にある標高四六九メートルの鐘状型火山出石封内明細帳の栗栖野村の項に「加牟那辺山と云山有り」とある。同村の小物成に蒿麦・稗があるように裾野火山灰土の畑であった。近くには大机おつくえ(四九五メートル)、ブリ山(三九〇メートル)の同じ形態の火山があって神鍋高原形成し、その溶岩流は一二キロ下って円山まるやま川に沿う土居どい付近に達し、八反はつたん滝・十戸じゆうご滝など随所に滝を形成する。

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改訂新版 世界大百科事典 「神鍋山」の意味・わかりやすい解説

神鍋山 (かんなべやま)

兵庫県北部,豊岡市の旧日高町にある火山。標高469m。玄武岩からなる溶岩円頂丘で,山腹は高原状に広がり,関西の代表的なスキー場として知られる。京阪神に近く,JR山陰本線や国道9号線など交通も便利なので,例年30万人のスキー客を迎える。12月下旬から3月上旬までがシーズンであるが,年によって積雪量が少ないことが悩みである。最近は夏場の客の誘致に力を入れ,ゴルフ場,テニスコート,キャンプ場などを整備するほか,自転車レースなどの開催など工夫をこらしている。氷ノ山後山那岐山(ひようのせんうしろやまなぎさん)国定公園に含まれる。
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百科事典マイペディア 「神鍋山」の意味・わかりやすい解説

神鍋山【かんなべやま】

兵庫県北部,日高町(現・豊岡市)にある標高469mの火山。玄武岩からなる溶岩円頂丘。広い裾野(すその)は関西屈指のスキー場で,設備もよく,周辺にツアー適地の大岡山,三川山,蘇武岳があり,山陰本線江原駅からバスの便がある。
→関連項目豊岡[市]日高[町]氷ノ山後山那岐山国定公園

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「神鍋山」の意味・わかりやすい解説

神鍋山
かんなべやま

兵庫県北部、豊岡市(とよおかし)にある山。標高469メートル。氷ノ山後山那岐山国定公園(ひょうのせんうしろやまなぎさんこくていこうえん)の一角を占める。北但(ほくたん)山地の火山活動では最後に噴出したトロイデ型の火山。東方の大岡山と同じ玄武岩からなり、一帯は皺(しわ)ヶ野とよばれる溶岩と火山灰の高原である。溶岩は稲葉川沿いに円山(まるやま)川との合流地付近にまで流出している。山腹は神鍋高原スキー場の中心で夏はキャンプなどでにぎわう。JR山陰本線江原駅からスキー場までバスが通じる。

[大槻 守]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神鍋山」の意味・わかりやすい解説

神鍋山
かんなべやま

兵庫県北部,豊岡市西部にある溶岩円頂丘 (鐘状火山) 。標高 469m。円山川支流の稲葉川上流にある。北方の大机山と並んで乳房のような二つの丘を形成。山頂に周囲 30m余の旧噴火口があり,火口壁に玄武岩が見える。付近一帯は関西有数の施設をもつスキー場として有名。氷ノ山後山那岐山国定公園に属し,また,但馬山岳県立自然公園にも属する。

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