神籬・胙・膰(読み)ひもろぎ

精選版 日本国語大辞典 「神籬・胙・膰」の意味・読み・例文・類語

ひもろぎ【神籬・胙・膰】

〘名〙 (古くは「ひもろき」)
① (神籬) 古代、神祭のとき、清浄の地を選んで、周囲に常磐木を植えて神座としたもの。後世、神社または臨時に神を招請するために室内・庭上などに立てた榊(さかき)もいう。転じて、のちには、神社をもいう。ひぼろぎ。
書紀(720)崇神六年「磯堅城の神籬(ひもろき) 〈神籬、此をば比莽呂岐(ヒモロキ)と云ふ〉」
② (胙・膰) (①に供える物の意) 神に供える米・餠・肉など。ひぼろぎ。ひぼろけ。ひもろけ。
蜻蛉(974頃)下「れいのひもろきのたよりに、なやましきことありてなどありき」
[補注]「ひもろぎ」の「ぎ(き)」は、上代、甲類音であるから、乙類音である「木(き)」とは別と考えられる。

ひぼろぎ【神籬・胙・膰】

〘名〙 (古くは「ひぼろき」)
① =ひもろぎ(神籬)①〔十巻本和名抄(934頃)〕
② (胙・膰) =ひもろぎ(神籬)②〔色葉字類抄(1177‐81)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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