神田神社(読み)かんだじんじゃ

精選版 日本国語大辞典 「神田神社」の意味・読み・例文・類語

かんだ‐じんじゃ【神田神社】

[一] 滋賀県大津市真野普門町にある神社。祭神は彦国葺命(ひこくにふきのみこと)天押帯日子命(あめのおしたらしひこのみこと)。弘仁年間(八一〇‐八二四)の創建と伝える。

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デジタル大辞泉 「神田神社」の意味・読み・例文・類語

かんだ‐じんじゃ【神田神社】

千代田区外神田にある神社。祭神は大己貴命おおなむちのみこと少彦名命すくなひこなのみこと。境内に将門社がある。通称、神田明神

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日本歴史地名大系 「神田神社」の解説

神田神社
かんだじんじや

[現在地名]千代田区外神田二丁目

湯島台に鎮座する神社で、江戸の総鎮守として江戸っ子の崇敬を受けた。祭神は大己貴命少彦名命・平将門。旧府社。神田明神(社)と称する。

明治六年(一八七三)祠官が東京府に提出した明細書(同七年神社明細簿)によると、祭神は大穴牟遅大神(大己貴命)と平将門で、天平年間(七二九―七四九)豊島郡芝崎しばざき(江戸時代の神田橋内)に鎮座し、慶長年間(一五九六―一六一五)に神田台(駿河台)へ移転したのち、元和二年(一六一六)四月現在地に移転したという。後述するが、明治七年祭神のうち平将門は少彦名命に替わり、同一二年の神社明細帳所載の当社由緒では、大己貴命は天平年間より芝崎村に鎮座し、神田神社の旧跡を大蔵省内務省の地であるとしている。また当社が神田台に移転した際に合殿に移した将門の霊は、芝崎村の当社近傍に祀られていたものという。ちなみに、長禄江戸図には芝崎村(柴崎村)に明神と記されている。「江戸名所図会」によると、社伝では天平二年芝崎村に鎮座したのち、中世遊行上人第二世他阿真教が東国遊化の際に将門の霊を合せて社の傍らに草庵を結び、芝崎道場と号したという。当社別当寺の神田山日輪にちりん(現時宗)のことで、同寺は慶長年間柳原やなぎはらに移転し、明暦三年(一六五七)振袖火事ののち浅草に再度移転したとされる。

天正一九年(一五九一)一一月には葛飾郡西葛西下千葉にしかさいしもちば(現葛飾区)の内に社領三〇石を与えられた(寛文朱印留)。文政九年(一八二六)作成の書上(寺社備考)によると、駿河台より現在地に移転した翌元和三年に社殿竣工。明暦三年の振袖火事で類焼し寛文元年(一六六一)再建された。

神田神社
かんだじんじや

[現在地名]御調町市 僧堂

御調川北岸の僧堂そうどうに鎮座。祭神は須佐之男大神・櫛稲田比売命・大名牟遅命・少毘古那命・蘇民将来神。旧村社。御調町大田おおたいち花尻はなじりかみ高尾たかおかいはら岩根いわねほん三郎丸さぶろうまる大山田おおやまだ千堂せんどう下山田しもやまだ、府中市三郎丸町・篠根しのね町・河面こうも町・諸毛もろけ町・小国おぐに町によって祀られる。「三代実録」貞観二年(八六〇)二月二八日条に「授備後国正六位上大蔵神・神田神並従五位下」とある神田神に比定する説もある。

当社はもと本村に鎮座して船岩神田ふないわかんだ宮と称し、天禄年中(九七〇―九七三)貝原かいがはら村に移されて船山天王ふなやまてんのう社と称し、文和年間(一三五二―五六)に現在地に移され、元和三年(一六一七)に再建したという。

神田神社
こうだじんじや

[現在地名]篠山市大山

古川坪ふるかわつぼに鎮座。カンダともよばれる。大山おおやま庄の惣社で、江戸時代にも大山組の惣鎮守であった。祭神は大己貴命。旧県社。大宝二年(七〇二)大山谷に勧請したと伝え、一宮大明神と称したという。「延喜式」神名帳にみえる多紀たき郡九座の一つ「神田神社」に比定する説がある。社号から「和名抄」に記す多紀郡神田かんだ郷に所在していたと考えられるが、当地は同郡河内こうち郷に比定されるので検討を要する。応保二年(一一六二)現在地に移ったとされ、仁治二年(一二四一)五月の大山庄領家年貢請文案(東寺文書)に「一二宮両社御神楽料」として一石二斗とある。

神田神社
かんだじんじや

[現在地名]東白川村神土

神土の後山かんどのうしろやまに鎮座する。祭神は伊邪那岐神・伊邪那美神・大国主神・速玉男神・少彦名神ほか九柱。旧郷社。「延喜式」神名帳に賀茂かも郡神田神社とあり、美濃国神名帳に従五位下神田明神とみえる。社伝によると、養老二年(七一八)の勧請といわれる。嘉慶二年(一三八八)神土村の名主源忠広が社殿を再建し、補修用のため東名一反・西名一反、合計二反の神田を寄進した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「神田神社」の意味・わかりやすい解説

神田神社
かんだじんじゃ

東京都千代田区外神田(そとかんだ)に鎮座。大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)を祀(まつ)る。社伝によると、730年(天平2)武蔵(むさし)国豊島(としま)郡芝崎村(東京都千代田区大手町)に創祀(そうし)したという。1603年(慶長8)駿河台(するがだい)に移り、さらに1616年(元和2)現在地に移った。庶衆から「神田明神(みょうじん)」と尊称され、将軍徳川秀忠(ひでただ)は当社をして江戸城下の総鎮守(ちんじゅ)となした。1657年(明暦3)に社殿炎上。のち徳川家綱(いえつな)により再興された。1703年(元禄16)ふたたび社殿炎上。翌年徳川綱吉(つなよし)により再興。1872年(明治5)府社に列せられ、正式の社号「神田神社」に改めた。1923年(大正12)関東大震災により炎上し、1934年(昭和9)に再興。1945年3月戦火にかかり社殿を焼失したが、その後再興して現在に至る。平将門(まさかど)を祀る境内の将門社は有名。創建当初、近傍に将門の首塚があったのにより、相殿(あいどの)にその霊を祀り、この地の守護神としたとも伝える。5月中旬の例祭は世に神田祭と称され、隔年に行われる大祭は日本三大祭の一つとされる。

[三橋 健]


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改訂新版 世界大百科事典 「神田神社」の意味・わかりやすい解説

神田神社 (かんだじんじゃ)

東京都千代田区外神田に鎮座。大己貴(おおなむち)命を主神とし,相殿(あいどの)神として少彦名(すくなびこな)命をまつる。社伝によれば,730年(天平2)武蔵国豊島郡芝崎村に大己貴命をまつったのが当社のはじまりという。徳川家康が江戸に入ると,翌1591年(天正19)江戸内に30石の神領を寄進した。1603年(慶長8)江戸城改築に伴い神田台に,さらに16年(元和2)現在の外神田に移った。徳川秀忠はこの神田明神を武州の総社とし,城下の総鎮守として篤い崇敬を寄せた。1872年神田明神を神田神社と改称,74年には常陸の大洗磯前(いそざき)神社の祭神少彦名命の分霊を勧請,相殿神としてまつった。大祭は5月15日(もとは9月15日)。神田祭と称されるこの大祭は,日枝神社山王祭とともに,江戸の代表的な祭りといえる。旧府社。
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「神田神社」の解説

神田神社
かんだじんじゃ

神田明神とも。東京都千代田区外神田に鎮座。旧府社。祭神は大己貴(おおなむち)命・少彦名(すくなひこな)命。社伝では730年(天平2)武蔵国豊島郡芝崎村に創祀という。1603年(慶長8)頃に神田橋御門内から駿河台に移され,16年(元和2)現在地に遷座。武州総社として日枝神社とならび徳川家の厚い庇護をうけた。例祭は5月中旬の神田祭。日枝神社の山王祭とともに江戸二大祭とされた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神田神社」の意味・わかりやすい解説

神田神社
かんだじんじゃ

東京都千代田区外神田に鎮座する元府社。神田明神ともいう。祭神はオオナムチノミコト,スクナヒコナノミコト,平将門。総産土神としてあがめられ,5月 15日の祭り (神田祭) は日枝神社の山王祭とならんで江戸二大祭の一つとしてにぎわう。

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世界大百科事典(旧版)内の神田神社の言及

【神田祭】より

…東京都千代田区に鎮座する神田神社の5月15日を中心とする祭り。江戸時代より山王日枝神社の山王祭とともにその豪華さをもって〈天下祭〉と呼ばれた。…

【平将門】より

… 《将門記》は,その文末に,造悪の報いで地獄におちた将門が冥界から消息を寄せて,生存する妻子や兄弟に地獄の責め苦を訴えたという,興味深い巷説を載せているが,《太平記》や古活字本《平治物語》には,都で梟首された将門の首が瞑目せず,歯がみして復仇を誓ったという話が伝えられている。非業の死をとげた人々の怨恨が,怨霊となって世を悩ますという考えは,いわゆる御霊神としてこれを神にまつり,鎮魂慰撫する風習を生んだが,東京神田の神田神社,西多摩郡奥多摩町鳩の巣の将門神社,茨城県岩井市の国王神社,千葉県佐倉市の将門明神,福島県相馬市の相馬神社など,関東から東北にかけての各地には,将門をまつる御霊社が広く分布している。 先にあげた《俵藤太物語》もその一例だが,近世に入ると,将門にゆかりの深い東国が政治・文化の中心となったことから,将門への関心はいっそう深まり,将門伝説に題材をとった多くの文芸作品がつくられた。…

※「神田神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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