神明(読み)しんめい

精選版 日本国語大辞典 「神明」の意味・読み・例文・類語

しん‐めい【神明】

[1] 〘名〙
① 超自然的な存在。あらたかな神。神。神祇(じんぎ)
※続日本紀‐天平一二年(740)九月癸丑「不孝不忠、違天背地、神明所弃、滅在朝夕
※大鏡(12C前)六「今日この御堂に影向し給はらん神明・冥道達もきこしめせ」 〔易経‐繋辞下〕
祭神としての天照大神(あまてらすおおみかみ)の称。また、それをまつった神社神明社
※令義解(833)神祇「孟夏 神衣祭。〈謂。伊勢神宮祭也。〈略〉績麻以織敷和衣。以供神明。故曰神衣〉」
曾我物語(南北朝頃)五「しんめい光をやはらげ、天の岩戸にとりこもらせ給ひし時」
③ 神のように明晰であること。
※懐風藻(751)与朝主人〈釈弁正〉「神明今漢主、柔遠静胡塵
※作詩志彀(1783)詩変総論「唐の太宗、聰明神明の資を以て、六朝の余乱を払ひ」 〔淮南子‐兵略訓〕
衆生神識(精神・たましいなどの主体)。精神力。
※勝鬘経義疏(611)顛倒真実章「挙生死・涅槃二見、二見者計生死神明都断
西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉六「その人となり静黙にして談話を好まず、故に神明外に馳せずして、才思内に醞醸(うんじゃう)せり」 〔荘子斉物論
[2] 特に、繁華で知られた江戸芝神明芝大神宮)。また、その付近一帯をさしていう。
浮世草子日本永代蔵(1688)五「細工利の半内は、芝の神明(シンメイ)の前にて、渋紙敷ての小間物売

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デジタル大辞泉 「神明」の意味・読み・例文・類語

しん‐めい【神明】

神。神祇じんぎ。「天地神明に誓ってうそは言わない」
祭神としての天照大神あまてらすおおみかみの称。また、それを祭った神社。神明社。

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普及版 字通 「神明」の読み・字形・画数・意味

【神明】しんめい

神。〔左伝、襄十四年〕民の其の君に奉ずるや、之れを愛すること母の如く、之れを仰ぐこと日の如く、之れをすることの如く、之れを畏るること雷霆(らいてい)の如し。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「神明」の解説

神明

正式社名「株式会社神明」。英文社名「SHINMEI CO., LTD.」。卸売業。明治35年(1902)創業。昭和25年(1950)「神戸精米株式会社」設立。同47年(1972)現在の社名に変更。本社は神戸市中央区栄町通。米穀卸会社。米の取扱量トップクラス。「あかふじ米」ブランドを展開。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「神明」の解説

しんめい【神明】

千葉の日本酒。酒名は、地元の神明神社に由来。蔵元の「神明酒造」は安政3年(1856)創業。所在地は香取郡東庄町夏目。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の神明の言及

【神明社】より

…天照大神または伊勢内外宮の神をまつった神社。神明宮,神明神社,太神宮,伊勢宮(いせみや)などともいう。神明とは神と同義で,中国の古典《左伝》《書経》にも見え,日本でも古くから用いられた語であるが,平安時代末期ごろから天照大神をさす語としても使用されるに至った。…

※「神明」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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