祖父・爺(読み)じじ

精選版 日本国語大辞典 「祖父・爺」の意味・読み・例文・類語

じじ ぢぢ【祖父・爺】

〘名〙
父母父親。そふ。おおじ。じい。⇔祖母(ばば)
俳諧続猿蓑(1698)上「渋柿もことしは風に吹れたり〈里圃〉 孫が跡とる祖父(ぢぢ)借銭馬莧〉」
※書言字考節用集(1717)四「祖父 ヂヂ」
② 年老いた男子の称。おきな。老人老翁老爺(ろうや)。じい。⇔祖母(ばば)
※俳諧・春の日(1686)「物おもふ軍の中は片わきに〈羽笠〉 名もかち栗とぢぢ申上げ〈野水〉」
※尋常小学読本(1887)〈文部省〉一「ぢぢは、山へくさかりに、ばばは、川へせんたくに行きました」

じい ぢい【祖父・爺】

〘名〙 (「じじ(祖父)」の変化した語)
① 祖父をいう幼児語。じじ。おじいさん。
※咄本・内閣文庫本醒睡笑(1628)一「年の暮に孫の七つ八つなるを近付け、元日にわが顔を見、日本の鉄床は皆ぢいの鉄床といへと、懇に教へし」
② 貴人の幼児などが男性の養育係を呼ぶ語。
浄瑠璃・鎌倉三代記(1716)三「イヤイヤ此処が面白い、いつもの様な切りあひしよ。爺(ヂイ)人形持って出い、はやうはやう」
③ 一般に老年の男子をさしていう。老翁。老爺。
狂歌・銀葉夷歌集(1679)七「老ぼれと笑やすらんちいが身にうは口なりし人を恋れば」

じじい ぢぢい【祖父・爺】

〘名〙 年老いた男子。老人。じじ。じい。また、年老いた男子をののしっていう語。
洒落本遊子方言(1770)発「今おまへに、じぎして、いった、達者そふな、ぢぢいは」
※木の上の生活(1969)〈安岡章太郎〉「あんたみたいなジジイには勿体ない若さだわ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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