祐天寺(読み)ゆうてんじ

精選版 日本国語大辞典 「祐天寺」の意味・読み・例文・類語

ゆうてん‐じ イウテン‥【祐天寺】

東京都目黒区中目黒にある浄土宗の寺。山号は明顕山。院号は善久院。享保四年(一七一九開創開基祐海開山祐天。祐天が隠世した庵居跡で、祐天没年の翌年弟子の祐海が建立、開山を追請。常行念仏の道場であった。

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デジタル大辞泉 「祐天寺」の意味・読み・例文・類語

ゆうてん‐じ〔イウテン‐〕【祐天寺】

東京都目黒区にある浄土宗の寺。山号は明顕山。享保3年(1718)祐天が住んだいおりのあとに、弟子祐海が創建江戸時代には常行念仏の道場として知られた。

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日本歴史地名大系 「祐天寺」の解説

祐天寺
ゆうてんじ

[現在地名]目黒区中目黒五丁目

東急東横線祐天寺駅の東方に位置する浄土宗寺院。明顕山善久ぜんきゆう院と号し、本尊は祐天上人像。創建は享保三年(一七一八)で、開山は芝増上寺第三六世祐天(「明顕山起立略記」祐天寺文書など)。祐天は下総国大巌だいがん(現千葉市中央区)をはじめ小石川伝通でんづう院・芝増上寺の法主を歴任した高僧で、五代将軍徳川綱吉の生母桂昌院の厚い帰依を受けた。下目黒村善久院において専心念仏の修行をした祐天は、当地に常念仏堂の創建を念願していたが、願いを果せず没した。

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改訂新版 世界大百科事典 「祐天寺」の意味・わかりやすい解説

祐天寺 (ゆうてんじ)

東京都目黒区にある浄土宗の寺。明顕山善久院と号する。1719年(享保4)増上寺36世祐天(1637-1718)が晩年庵居して寂した地に高弟祐海が創建し,祐天を開山とした。祐天は将軍徳川綱吉・家宣,また綱吉の母桂昌院をはじめ大奥の帰依あつく,庶民の信仰も集めた高僧であった。祐天の書き与えた名号の利益や庶民教化は《祐天大僧正利益記》などに詳しいが,とくに歌舞伎で有名になった累(かさね)一族怨霊救済の話はよく知られ(《》),当寺境内にある累塚には参詣者がたえない。例年3月1日に祐天の木像を江戸城中に運び,節供後下城の際,小袖を拝領する風があった(《遊歴雑記》)。かつては常行念仏の道場として名高く,《東都歳事記》によれば,毎年7月16日から25日まで阿弥陀経千部読誦が執行され,僧俗が群参したといい,毎月15日には別時念仏が行われた。本堂は1894年の火災で焼失したが,将軍家宣の霊廟を改修してこれにあてた。西方六阿弥陀参りの6番,江戸南方四十八所地蔵参りの1番,円光大師二十五所巡拝の8番の札所にそれぞれなっている。
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