社会主義憲法(読み)しゃかいしゅぎけんぽう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「社会主義憲法」の意味・わかりやすい解説

社会主義憲法
しゃかいしゅぎけんぽう

憲法を歴史的内容に即して分類した場合の一つで,ロシアにおける社会主義革命契機に誕生した憲法およびその系譜に立つ憲法のこと。権力分立制を排して,勤労人民によって選出される代議員により構成される会議 (最高会議とか全国人民代表大会とか呼ばれる) を最高の国家権力機関とする権力集中制 (→民主集中制 ) をとり,生産手段の私有原則として廃止し,市民の基本的権利の保障については物質的裏づけについて配慮すると同時にあくまでも勤労者の利益に合った行動をし,社会主義制度に反してはならない,という条件を付しているところに特徴をもつ。憲法上明記されていると否とを問わず,通常共産党と呼ばれる政党が実質的に政治権力を掌握しているところに特色がある。 (→ブルジョア憲法 , 社会主義法制 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android