社(漢字)

普及版 字通 「社(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

(旧字)
人名用漢字 8画

[字音] シャ
[字訓] やしろ・くにつかみ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は土(ど)。土はの初文。卜文・金文字形は土主の形。それに酒などを(そそ)ぐ形に作るものがある。〔説文〕一上に「地なり」とあり、産土神(うぶすながみ)をいう。山川叢林の地はすべて神の住むところで、そこに社樹を植えて祀った。また〔周礼、地官、大司徒〕に「其の稷(しやしよく)の(ゐ)(社壇とその封界)を設けて、之れが田を樹う。各其の野の宜しきの木を以てす。に以て其のと其の野とに名づく」とあり、いわゆる封建の礼をいう。亡国の社には、これに屋を加える。各地に土主があり、その地で儀礼を行うときは、まずその土主に酒などをいで祀る。これを興(きよう)という。〔礼記、楽記〕に「上下の興す」とは、上神には降、下神には興の礼をする意。また〔周礼、地官、舞師〕に「小祭祀には興せず」とあり、重要な祭祀のときには地霊に興舞したことが知られる。社の古い形態はモンゴルオボに似ており、社主の下部を盛り土で堅めた。そこに野鼠が棲むので、君側の奸を社鼠という。水や火を以て攻めがたいからである。

[訓義]
1. やしろ、くにつかみ、うぶすながみを祀る。
2. やしろを中心とした組織、結社、地域社会。周制では二十五家を一社とする。
3. 社の祭の日、社日、立春立秋ののち第五の戊の日。
4. 江・淮の地では母をいう。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 后土なり、也志呂(やしろ)〔名義抄 ヤシロ・イノル・ヲツ・モリ 〔字鏡〕 ヤシロ・フサク・ウヤマフ・モリ 〔字鏡集〕 イノル・ヲツ・ウカカフ・ヤシロ・ユタカナリ・フセク

[語系]
zjya、土thaは声近く、古くは土を社の意に用いた。卜辞にみえる亳(はく)土・唐土は亳社・唐社の意。また〔説文〕二上に「吐は寫なり」、〔広雅、釈言〕に「土は瀉なり」とあり、吐tha、寫(写)・瀉syaも声義に関係があるようである。

[熟語]
・社燕・社翁・社火・社会・社学・社鬼・社客・社宮・社君・社公・社祭社宰・社司・社祀・社祠・社日・社主・社酒・社樹・社場・社稷・社神・社人・社正・社銭・社鼠・社倉・社叢・社壇・社長・社肉・社婆・社伯・社飯・社・社木社民・社友・社林
[下接語]
殷社・王社・会社・官社・観社・宜社・郷社・社・吟社・軍社・結社・公社侯社郊社・宰社・祀社寺社・酒社・秋社・出社・春社・書社・商社・神社・薦社・宗社・村社・大社・遅社・冢社・田社・社・入社・亳社・社・社・方社・報社・茅社・民社・里社・類社・蓮社

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android