示現(読み)じげん

精選版 日本国語大辞典 「示現」の意味・読み・例文・類語

じ‐げん【示現】

〘名〙
① 仏語。仏菩薩衆生救済のために、種々に身を変えてこの世に現われること。現化(げんげ)
往生要集(984‐985)大文二「為衆生故、示現八相、随縁在厳浄国土、転妙法輪諸衆生
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)仏五左衛門「いかなる仏の濁世塵土に示現して、かかる桑門の乞食順礼ごときの人をたすけ給ふにやと」 〔六十華厳経‐二八〕
神仏霊験を示し現わすこと。夢の中に化身となって現われ、告知すること。
今昔(1120頃か)二四「観音に祈り申しける夜の夢に、〈略〉と見て、夢覚ぬ。何なる示現にか有らむと恠み思て」
太平記(14C後)二七「日吉山王の示現(ジゲン)利生の新たなる猿楽を、肝に染てぞし出したる」

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デジタル大辞泉 「示現」の意味・読み・例文・類語

じ‐げん【示現】

[名](スル)
神仏が霊験を示し現すこと。また、その霊験。神仏のお告げ。「奇跡示現する」
仏・菩薩ぼさつが衆生を救うために種々の姿に身を変えてこの世に出現すること。
[類語](1お告げ託宣神託/(2出現現れ発現現出実現発祥再現輩出現れる誕生現前具現顕現体現開示発露流露出土日の目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「示現」の意味・わかりやすい解説

示現
じげん

仏陀大乗仏教の求道者である菩薩が,生きとし生けるものを救済するために,時と場合に応じて種々の姿をとって現れること。 (→応身 , 権化 )

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普及版 字通 「示現」の読み・字形・画数・意味

【示現】じげん

しめす。

字通「示」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の示現の言及

【権化】より

…またチベットのラマ教では,ダライ・ラマは観音の,パンチェン・ラマは阿弥陀仏の転身とされる。日本では権化,権現,権者(ごんざ),応現,化現,示現はほぼ同じ意味で用いられる。民族信仰の諸神格と仏教の信仰対象とを結びつけ調和させようとする本地垂迹(ほんじすいじやく)説でしばしば用いられ,たとえば天照大神はその本地とされる大日如来の垂迹した権化とされているのである。…

※「示現」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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