普及版 字通 「示(漢字)」の読み・字形・画数・意味
示
常用漢字 5画
[字訓] かみ・しめす
[説文解字]
[甲骨文]
[字形] 象形
神を祀る祭卓の形。〔説文〕一上に「天、象を垂れて吉凶を見(しめ)す。人に示す以(ゆゑん)なり。二(古文上)に從ふ。三垂は日星なり。天にて、以て時變を察す。示とは事なり」という。天が三垂を以て人に示す意の字とするが、卜文の字形は祭卓の象。ドルメン・石主・神桿・陽茎の形とする説などもあるが、卜文にはこの上に鳥牲をおく形があり、金文の祭は、この上に肉をおく形。卜文に殷の祖神を五示・十示のようによび、神霊の意とする。示の大なるものは下に締脚を加えて(帝)という。また祭卓を中におく形は宗。示はと通用し、は死者(てんししや)(行き倒れ)を葬ること。また音を以て(視)とも通用する。
[訓義]
1. かみ、祭卓の象。
2. 神のお告げ、神の教え。
3. 示す、告げる、教える。
4. と通じ、おく。
5. 視と通じ、みる、示されたところを見る。
6. と通じ、土地の神。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕示 モノカタリ・シメス・シム・アラハル・ミル・カタラフ
[部首]
〔説文〕に・禮(礼)以下五十九字、重文十三、〔新附〕四を属し、〔玉〕にはすべて百四十五文を属する。卜文の(神)・(社)・(祐)・・祭・(祖)は示に従わず、申・土・(又)(ゆう)のようにしるしており、いまの字形はその形声字である。
[声系]
〔説文〕に示声として・・・など五字を収め、また隷を(だい)声とするが、の他には声義に一貫するものがない。
[語系]
示djiei、zjieiは、示すものと、示されて見るものの関係である。〔漢書、高帝紀〕の〔顔師古注〕に「書多くを以て示と爲す」とあり、経伝中にも両字を通用する例が多い。
[熟語]
示号▶・示威▶・示意▶・示下▶・示誡▶・示及▶・示教▶・示仰▶・示訓▶・示警▶・示▶・示現▶・示唆▶・示悉▶・示弱▶・示寂▶・示談▶・示範▶・示票▶・示朴▶・示滅▶・示諭▶・示様▶・示例▶・示論▶
[下接語]
暗示・威示・戒示・開示・誨示・教示・暁示・訓示・恵示・啓示・見示・顕示・懸示・誇示・公示・告示・指示・昭示・章示・垂示・宣示・呈示・提示・展示・微示・表示・標示・風示・明示・黙示・諭示・耀示・来示・留示・例示
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報