磐国山(読み)いわくにやま

日本歴史地名大系 「磐国山」の解説

磐国山
いわくにやま

古代から中世にかけて、山陽道の通過する欽明路きんめいじ(現岩国市と玖珂郡玖珂町との境)付近の山々をさしたと考えられる。岩国山とも記される。

「万葉集」巻四に、

<資料は省略されています>

と詠まれ、左注によれば天平二年(七三〇)大宰帥大伴旅人が重病になった時、勅命によって庶弟稲公と甥の胡麻呂とが筑紫に下った。幸い病は快方に向かい、稲公らの帰京に際し宴が催され、その席で大宰少典山口忌寸若麻呂がはなむけに詠んだ歌という。勅命による旅は官道を通る。手向けは旅程要所で道中の安全を祈って神に幣などを捧げることであり、この歌の磐国山は欽明路峠辺りを想定するのが妥当である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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