磁気量(読み)ジキリョウ

デジタル大辞泉 「磁気量」の意味・読み・例文・類語

じき‐りょう〔‐リヤウ〕【磁気量】

磁石磁性体磁極間に働く力の大きさで決められる磁荷の量。クーロンの法則に従う。この力の源である磁荷は、磁気量で測られ、単位アンペア毎メートル(A/m)。

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精選版 日本国語大辞典 「磁気量」の意味・読み・例文・類語

じき‐りょう ‥リャウ【磁気量】

〘名〙 磁石、または磁化した磁性体の端(はし)に現われる磁極の強さを表わす量。単位はウェーバWb.)またはアンペアメートル(A/m)。磁荷。

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化学辞典 第2版 「磁気量」の解説

磁気量
ジキリョウ
magnetic charge

磁石と磁石との間にはたらく力の様子などから,磁石の磁極にある物理量が存在しているようにみえる.これを磁気とよび,その量を磁気量または磁荷という.定量的には,国際単位系(SI単位)でE-H対応をとるとき,磁気量 qmqm′の2個の点磁極間のクーロン力は,

と表される.ここで,rは磁極間の距離,μ0真空透磁率

μ0 = 4π×10-7 N A-2
である.このとき,磁気量の単位はウェーバ(Wb)で,1 Wb の2個の磁極が1 m 離れているときにはたらく力は,107/(4π)2N である.またE-B対応では,クーロン力は,

と書くことができ,この場合の磁気量の単位は A・m になる.またガウス単位系では,1 cm 離れた等しい大きさの二つの磁極が1 dyn の力を及ぼしあうときの磁極の磁気量を単位磁気量とするが,その大きさはSI単位におけるE-H対応の磁気量の1/10である.磁気量には正負があるが,それぞれ単独に存在するわけではない.それにもかかわらず磁気量という概念を使うと,磁気の場合を電気の場合から類推できる便利さがある.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「磁気量」の意味・わかりやすい解説

磁気量
じきりょう
magnetic charge

磁石磁極の強さを表わす量。磁極が互いに及ぼす磁気力の大きさにより磁気量を定める。きわめて細長い2つの棒磁石においては互いに遠いほうの反対磁極の間の力は無視できるので,近いほうの磁極間の距離を r とすれば,電気と同じように2つの点磁極が考えられ,その間にクーロンの法則による磁気力 m1m2/4πμ0r2 ( μ0 は真空の透磁率 ) が働く。 m1m2 は磁極の強さであり,磁気量または磁荷と呼ばれ,その SI単位はウェーバである。磁気の場合,電気と異なって単一の磁荷 (→磁気単極 ) は存在しないので,磁気の基本的な量は磁気量ではなく磁気モーメントである。

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百科事典マイペディア 「磁気量」の意味・わかりやすい解説

磁気量【じきりょう】

磁石の磁極の強さを表す量。クーロンの法則より与えられる。互いに等しい二つの点磁極を真空中で1m隔てておいたとき,それらの間にはたらく力が107/(4π)2ニュートンのとき,この点磁極の磁気量を1Wb(ウェーバー)とする。MKSA単位系では磁気量の単位は1アンペアターン/m(アンペアターン)で,CGS単位系ではギルバート。→磁気
→関連項目磁気モーメント

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