硫化カルボニル(読み)リュウカカルボニル

化学辞典 第2版 「硫化カルボニル」の解説

硫化カルボニル
リュウカカルボニル
carbonyl sulfide

COS(60.07).酸化硫化炭素(carbon oxide sulfide)ともいう.実験室では,粉末状のチオシアン酸カリウムを希硫酸と反応させると生じる.二硫化炭素と,三酸化硫黄または尿素との反応によっても生じる.無色無臭気体.融点-138.5 ℃,沸点-50.2 ℃.三重点-138.84 ℃.臨界温度105.65 ℃.密度0.0985 g cm-3.気体分子はCを中央にもつ直線形O=C=Sで,C-O0.113 nm,C-S0.158 nm.第一イオン化エネルギー11.185 eV.双極子モーメントは0.72 D.CS2エタノールに易溶,水に難溶で,徐々に加水分解してCO2とH2Sになる.化学反応性はCO2とCS2中間性質を示す.有機硫化物合成の中間体.大量に吸入すると麻酔性がある.眼,皮膚を刺激する.大気汚染防止法有害大気汚染物質指定.[CAS 463-58-1]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android