硝酸銅(読み)しょうさんどう

精選版 日本国語大辞典 「硝酸銅」の意味・読み・例文・類語

しょうさん‐どう セウサン‥【硝酸銅】

〘名〙 銅の硝酸塩。化学式 Cu(NO3)2 帯緑白色結晶無水塩、深青色の柱状結晶で潮解性のある三水塩、青色の斜方晶系板状結晶で潮解性のある六水塩などがある。硝酸第二銅。
舎密開宗(1837‐47)内「銅に消酸を注げば消石瓦斯を発して溶和す。之を消酸銅と謂ふ」

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デジタル大辞泉 「硝酸銅」の意味・読み・例文・類語

しょうさん‐どう〔セウサン‐〕【硝酸銅】

酸化銅硝酸に溶かして得られる深青色の結晶。三水和物または六水和物が普通。酸化剤として用いる。化学式Cu(NO32

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改訂新版 世界大百科事典 「硝酸銅」の意味・わかりやすい解説

硝酸銅 (しょうさんどう)

酸化数Ⅱの銅塩が普通に知られている。化学式Cu(NO32。金属銅,酸化銅(Ⅱ),塩基性炭酸銅を硝酸に溶かした溶液から3水和物として析出する。24.5℃以下では6水和物,-20℃以下では9水和物が安定である。3水和物は深青色で空気中で安定。比重2.04,融点114.5℃。水100gに対する溶解度は55.6g(20℃),62.0g(40℃)。金属銅は酢酸エチル中でN2O4と激しく反応し,Cu(NO32・N2O4を析出する。これは85~100℃でN2O4を放出し,無水和物となる。無水和物は高真空中で昇華しやすく,この方法で精製が行われる。気相中ではひずんだ四面体形単量体で,硝酸イオンは二座配位子となっている。固相では硝酸イオンが銅を橋架けした鎖状分子を他の硝酸イオンがさらに橋架けしており,銅原子は6個の酸素原子に取り囲まれている(図)。
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