砂時計(読み)スナドケイ(英語表記)hourglass

翻訳|hourglass

デジタル大辞泉 「砂時計」の意味・読み・例文・類語

すな‐どけい【砂時計】

8の字形に中央部がくびれたガラス容器に砂を入れ、下のふくらみに少しずつ落ちる砂の量で時間を測る装置。砂漏さろう。→蜂の腰
[補説]作品名別項。→砂時計
[類語]時計腕時計置き時計柱時計目覚まし時計目覚まし金時計鳩時計花時計水時計日時計タイムスイッチタイマーセルフタイマーストップウオッチ

すなどけい【砂時計】[戯曲]

《原題The Hour-Glassイェーツの戯曲。1903年、ダブリンのモールズワースホールにて初演。

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精選版 日本国語大辞典 「砂時計」の意味・読み・例文・類語

すな‐どけい【砂時計】

〘名〙 時計の一種。小さい孔から細かい砂が少しずつ落ちるようにしかけて、その落ちた砂の量で時間をはかるもの。通常、まん中の細くくびれたガラス器を用い、一方に砂を入れ、これを上にして他方へ落下させ、全部落ちると、これを逆に置きかえて続けて使用する。砂漏(さろう)
俳諧・ゆめみ草(1656)夏「かへすがへす待やほととぎすなどけい〈休甫〉」

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改訂新版 世界大百科事典 「砂時計」の意味・わかりやすい解説

砂時計 (すなどけい)
hourglass

微細な砂が小孔を通って連続的にゆっくり流出落下する量で時間をはかる装置。古代エジプトのころから水時計とともに利用されていたと推定されるが,8字形のガラス容器に密封し枠に入れて倒立させて使う形のものは14世紀ころヨーロッパで発生したらしい。現代でも電話通話や卵ゆでの時間をはかるのに利用される。欧米では18世紀まで機械時計と並行して広く使われ,とくに航海で当直時間の管理,艦船の速度測定に,教会修道院説教時間や日常行事の管理に使われた。日本渡来は17世紀初頭といわれる。
時計
執筆者:

(1)ルネサンス時代の油彩画や版画では,ペトラルカの《凱旋歌集(トリオンフィ)》の〈時は名声に勝利する〉が描写されて以来,砂時計は多く〈時〉の持物(アトリビュート)となった。時の速さを表すため,砂時計に羽根をつけることもある。また,〈時の翁〉が砂時計を背負う作例も多い(ブロンツィーノ《愛の寓意》)。(2)骸骨姿の死者が生者を襲う〈死の勝利〉の図像で,〈死〉は大鎌ないし矢とともに,砂時計をもつ(ウィーリクス)。(3)17世紀オランダの静物画では,卓上の楽器,本,手さげかばん,そして〈メメント・モリ(死を記憶せよ)〉の象徴である頭蓋骨とともに,砂時計は画面全体の寓意的意味〈ウァニタスvanitas(虚しさ)〉を強調する道具となる。(4)時計は人間の生活を規則正しく導くという役割から,歯車時計の発明以前は,砂時計が〈節制〉の持物となった(A. ロレンツェッティ)。
執筆者:

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「砂時計」の意味・わかりやすい解説

砂時計
すなどけい

中央のくびれた8の字形の容器に微細な砂を入れ、上部から下部への砂の移動によって経過時間を計るもの。起源は明らかではないが、一説には8世紀にフランスシャルトルの僧正リウトプランドが考案したものといわれる。砂は大きさがそろって、表面が滑らかで、湿り気の少ないことが必要である。14世紀末の記録に、黒大理石の細かい粒をぶどう酒で煮ては干すことを繰り返してつくったことが残っている。

 砂時計は、決まった事柄を一定時間に限定するために使われる。17世紀ごろまでは教会での説教などに、また船舶用のものは18世紀までも盛んに用いられていた。現在でも、電話の通話時間や料理の際に、3分計などの時間計として利用されている。

[元持邦之]

『エルンスト・ユンガ著、今村孝訳『砂時計の書』(1978・人文書院)』

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デジタル大辞泉プラス 「砂時計」の解説

砂時計〔漫画〕

①芦原妃名子による漫画作品。主人公の少女から大人へ至るまでの心情を緻密に描いた物語。島根県の仁摩サンドミュージアムが物語の軸となっている。『Betsucomi』2003年5月号~2006年7月号に連載。小学館Betsucomiフラワーコミックス全10巻。第50回(2004年度)小学館漫画賞 少女向け部門受賞。2008年に映画が公開された。
②TBS系列放映による日本の昼帯ドラマ。愛の劇場。2007年3~6月放映(全60回)。①を原作とする。出演:佐藤めぐみ、竹財輝之助ほか。

砂時計〔曲名〕

日本のポピュラー音楽。歌は男性J-POPグループ、EXILE。2003年発売のシングル、「Breezin'~Together~」収録曲。作詞:maR、作曲:MONK。日本テレビ系のスポーツニュース番組「スポーツうるぐす」のエンディングテーマに起用。

砂時計〔小説〕

吉富有の小説。1992年、第5回小説すばる新人賞受賞。1993年刊行。

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百科事典マイペディア 「砂時計」の意味・わかりやすい解説

砂時計【すなどけい】

小さな穴から流出落下する砂の量で時間を測る装置。中くびれの8字形のガラス容器に,粒度のそろった乾燥した砂を入れ,倒立させて使うものは14世紀ごろ登場したらしい。船などで4,2,1,1/2時間のものや,速度測定用の28秒,14秒のものが19世紀初めまで使われた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「砂時計」の意味・わかりやすい解説

砂時計
すなどけい
sandglass; hourglass

中央のくびれたひょうたん形のガラス容器上半部に乾いた細粒の砂を入れて立て,砂が落ちきることにより一定時間の経過を知る。1分計,3分計,5分計などがある。

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