石風呂(読み)いしぶろ

精選版 日本国語大辞典 「石風呂」の意味・読み・例文・類語

いし‐ぶろ【石風呂】

〘名〙
① 蒸し風呂一種岩穴をくりぬき、あるいは石で造った密室蒸気をこもらせて、蒸気浴をするもの。石で焼いて水をそそぐ方法(温石(おんじゃく))、海草などを焼いて蒸気を出す方法(塩風呂)などがある。かまぶろ。
言継卿記‐大永八年(1528)三月一八日「阿彌陀寺と申し候処にて石風呂候て入り候了」
② 石で造った浴槽石造のすえぶろ。

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デジタル大辞泉 「石風呂」の意味・読み・例文・類語

いし‐ぶろ【石風呂】

石でつくった浴槽。
岩屋石室の蒸し風呂。石を焼いて水を注ぎ、その湯気を浴びる。
「百姓ども御馳走に―をたき」〈咄・きのふはけふ・上〉

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防府市歴史用語集 「石風呂」の解説

石風呂

 岩をくりぬいたり、石を積み上げたりして部屋を造り、中で木を燃やし、燃え残りをかき出した後で、熱気や蒸気を浴びるお風呂です。重源[ちょうげん]が人夫の疲れをいやすために造らせたと言われています。

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世界大百科事典(旧版)内の石風呂の言及

【瀬戸内海】より

…本州,四国,九州に囲まれた日本最大の内海。北部一帯の中国山地,中国高原,冠山山地,西部の九州火山地域および九州山地,南部の四国山地,南東部の紀伊山地に囲まれた西日本内帯に属する陥没地帯である。一般的には友ヶ島水道(紀淡海峡),鳴門海峡,豊予海峡,関門海峡の4海峡(瀬戸)によって外海と隔てられた内海を指し,この範囲での島(満潮時の周囲0.1km以上)の数は約700(うち有人島は約150)である。瀬戸内海環境保全特別措置法では,南は和歌山県日ノ御埼(ひのみさき)~徳島県蒲生田(かもだ)岬を結ぶ線,愛媛県高茂岬(こうもざき)~大分県鶴御崎(つるみさき)を結ぶ線,北は山口県火ノ山下灯台~福岡県門司崎灯台を結ぶ線と陸地とによって囲まれた,紀伊水道,大阪湾,播磨灘,備讃瀬戸,備後灘,燧(ひうち)灘,芸予海峡,安芸灘,広島湾,伊予灘,周防灘,別府湾,豊後(ぶんご)水道の水域および外海の響(ひびき)灘の一部を含めている。…

【山香[町]】より

…国東仏教文化の遺跡が多く,西明寺境内の石造三重塔や泉福寺跡の石造宝塔などがある。山浦の石風呂は国の重要民俗文化財で,南北朝時代につくられたとみられている。蒸し風呂の一種で,床に薬草をしき,その湯気にあたった。…

※「石風呂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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